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M&Aの前に知っておくべき「のれん代」について

  • 医療継承コラム

医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日はM&Aを検討する前に知っておくべき「のれん(又はのれん代)」について、わかりやすく解説いたします。M&Aにおいて、のれんは非常に重要な概念です。もしも今後、クリニックM&Aを検討される可能性が少しでもあるならば、のれんの考え方を理解して頂くことは、決して無駄にはならないでしょう。簿記会計の概念が絡む内容ですが、できる限りかみ砕いて説明いたしますので、ぜひ最後までお読みください。

そもそも「のれん」って何だろう?

M&Aと切っても切れない「のれん」ですが、そもそも「のれん」とは一体何なのでしょうか?
「のれん」とは、会計用語の一種ですが、その語源はお店の軒先にかけられている「暖簾(のれん)」といわれています。暖簾には、一般的にお店の名前である屋号が印字されますよね?そしてこの屋号は、消費者に対して潜在的に働きかけるパワーを持っています。
例えば、美味しいおそばを食べようと思ったとき、美味しいと全国的に有名な「A」のお店の名前(若しくは商標)が印字された暖簾の店と、聞いたことがないような「B」の暖簾のお店、あなただったら一体どちらのお店に入るでしょうか?仮に料金が同じだったとしたら、ほとんどの方が「A」の暖簾のお店を選ぶのではないかと思います。
これはお客目線からすると、味に対する信頼(ブランド)であったり、料金に対するお値打ち感だったり、接客に対する安心であったりを暖簾から感じているわけですが、お店側からすると、「A」の暖簾は、競合他社と比較して「超過して収益を上げる力」を有しているということに他なりません。実物体としての暖簾そのものに意味はありませんが、その暖簾を出して商売をし、築き上げた信頼・実績・歴史といった、不可視性要素が、競合他社に対する優位性として表出していると理解できます。
M&Aにおいては、この目に見えない超過収益力要因(優位性)のことを「のれん」と呼んでいるのです。

M&Aにおけるのれん

それでは、M&Aにおける目に見えない超過収益力要因について、詳しく解説します。M&Aとは、「Mergers(合併)& Acquisitions(買収)」ですので、ほとんどの場合、対価の授受が発生することになります。
譲渡対価の額がどのように算定されるのかというと、貸借対照表がベースになります。貸借対照表は、大きく分けて「資産の部・負債の部・純資産の部」という三区分があるのですが、資産の部とは「将来的に収益を生み出す能力」、負債の部とは「将来的に支出を生み出す義務」が計上されます。そうすると、残った純資産の部は、「資産と負債の差額」になりますので、「将来的に企業に残るキャッシュ(ネットキャッシュフロー)」を表しているのかな?とイメージできると思います。この純資産こそが、譲渡対価のベースとなるのです。
しかし、この純資産の額がそのまま譲渡対価になるわけではありません。なぜならば、将来キャッシュに関わるすべての要素が、貸借対照表にオンバランスされているわけではないからです。たとえば、優秀なスタッフなどは収益を生み出すものの、資産としての定義をみたしておらず、貸借対照表には計上されておりません。逆に、将来的に借金の肩代わりをする可能性である偶発債務なども、負債としては計上されず、あくまでも注記事項として記載されているにすぎません。また、立地条件は商売を考えるうえで重要な要素ですが、土地は貸借対照表において、取得原価=過去の支出額で評価されていますので、現時点での他社との優劣を図ることは極めて困難です。
このように貸借対照表では明らかにならないものの、将来のキャッシュ(経営)に影響を及ぼす要素を加味・評価することで、最終的な譲渡対価の金額を算出することになります。一般的には、純資産の額よりも高い金額が譲渡対価として支払われることが多くなりますが、両者の差額がM&A会計において「のれん」と呼ばれているのです。取得側からすれば、貸借対照表には表れていないものの、将来キャッシュが獲得できる期待に対して対価を支払っていると言え、一般的には「プレミアム」と呼ばれるものになります。
クリニックM&Aを考えるうえでは、貸借対照表のみならず、のれんについても考えてみることで、理想的な取引を行うことが可能になるはずです。

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