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クリニック継承(M&A)における早期検討の重要性 ~開業医なら考えておきたい選択肢~

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。
本日は「クリニック継承(M&A)における早期検討の重要性」についてお伝えいたします。人であれば誰しも、自分自身が身体的・精神的に健やかな時、また体力的に余裕があるときには、もしもの時のことは考えにくいものです。これはクリニック経営者にも同じことが言え、「自分はまだまだ元気だから、継承や閉院を考えるのは先のこと」とお考えのクリニック経営者様やご家族も少なくないのではないでしょうか。本コラムでは、現在クリニックを経営している方やそのご家族だけでなく、これから開業をお考えの方やそのご家族に対してもご理解いただけるよう、「なぜクリニックの継承は早期に検討する必要があるのか」についてご説明して参ります。当記事が診療所M&Aを検討されている方にお役に立てましたら幸いです。

日本のクリニックの現状と課題

2024年現在、日本国内には医科歯科合わせて、17万件以上のクリニックがあります。そのような中で、令和4年度の厚生労働省医療施設調査によると、医科は年間で7,281件歯科は1,584件合計8,865件のクリニックが廃院もしくは休止している状況にあります。

その理由の一つとして、院長の高齢化と後継者不在が挙げられます。厚生労働省による令和2(2020)年度の医師・歯科医師・薬剤師調査によると、クリニックに従事する医師(医科)の平均年齢は10年前のデータでは58.2歳に対し直近では60.2歳、歯科医師の平均年齢は10年前のデータでは50.9歳に対し直近では54.3歳と、高齢化が進んでいることが分かり、また帝国データバンクによる令和3(2021)年全国「後継者不在率」動向調査で業種別の後継者不在率を見ると、医療業においては65.3%で後継者不在との調査データが出ています。このような後継者不在の背景には、少子化だけでなく昔と比べて親子間継承のハードルが上がっていることも挙げられます。親子間継承が困難となっている状況もございます。詳細についてはこちらをご参照ください。

「クリニックを子供が継がない」~親子間承継が難しくなりつつある理由~

現在の日本のクリニックでは、クリニックに従事する医師の高齢化に加え、後継者が不在という問題に悩まされており、この問題の解消が日本の医療現場にとって急務となっているのです。

これら問題の1つの解決方法が、第三者継承という選択肢です。弊社にご相談いただく売主様方も、盛業中のクリニックをお譲りしてアーリーリタイアをご希望される売主さまもいらっしゃれば、ご自身やご家族の急病を理由に継承をお急ぎの売主さま、ご高齢と体力の限界を理由に継承をご希望の売主さまなど、様々なご事情の方がいらっしゃいます。また、昨今ではコロナ禍で懸命に診療にあたってこられた院長先生が、診療疲れを理由に継承のご相談をいただく機会も増えてきているようにお見受けしております。第三者継承をより良い形で実現させるためには、継承を「早期検討」していただくことが非常に重要であると我々仲介業者は考えます。

【出典】
令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況(厚生労働省HP)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/22/dl/11gaikyou04.pdf
参照:平成22(2010)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/10/dl/gaikyo.pdf
参照:令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚生労働省HP)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/ishi/20/dl/R02_1gaikyo.pdf
参照:全国「後継者不在率」動向調査(2023年)(帝国データバンクHP)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p231108.pdf

なぜ医院継承は早期検討が重要なのか

ではなぜ「早期検討」が重要なのでしょうか。これまで弊社にご相談いただいたことがある事例をもとに、ご紹介いたします。

まず、院長の急病や間近に迫った閉院時期の都合で、継承に割く時間が限られるケースです。通常、継承には初回相談から最終契約まで、6~7か月ほどの期間を要します。(メディカルプラスのご相談から最終契約まので中央値実績は6.9ヶ月です。)これが、「あと2ヶ月で閉院が決まっている」や「院長が急病になり満足に診療ができないため早急にどなたかに譲りたい」となると、通常の半分やそれ以下の時間となります。もちろん候補者を探索することは出来ますが、買主側にも現勤務先退職の都合や、行政手続きの都合、資金調達の都合等があるため、ご検討いただける候補者の幅が狭まってしまうのはやむを得ない事実です。
また、継承のための必要書類が院長でないと用意出来ないケースも散見されます。これは個人クリニックもしくは1人医師医療法人に多いケースですが、院長自身がクリニックに関する資料をこれまで全て管理していた場合、その院長が体調不良等で書類の準備の対応が出来ない状況になってしまうと、周りの家族やスタッフは院長の意向に沿って継承を進めたくとも書類の用意が出来ず、継承を進めにくくなってしまいます。
必要書類について詳細はこちらの記事をご参照ください。

クリニック譲渡・継承のための必要書類や資料とは?

これら2つのケースの共通点は、「院長が急病」であることです。ドクターも人間ですので、いつ何が起こるか分かりません。開業医として患者さんやスタッフ・ご家族に対し、責任を持って「もしも」に備えていただければと思います。

また、時間が限られていたり書類が不足していたりすると、そのクリニック本来の評価が行えなくなってしまい、これまで院長が自身の子供のように大切に運営してきたクリニックを、本来の価値と乖離した評価で譲らざるを得ない状況となってしまいます。
弊社メディカルプラスでは「地域医療の継続」を事業のおもな目的としていますが、その背景にはこれまで懸命に診療されてきた院長先生への労りの気持ちと、新しく運営をされていく先生への期待の気持ちがあり、結果としての継承実現だけでなく双方が気持ち的にもより良い形で継承を実現されることが一番であると考えております。

何がいつ起こるか分からないからこそ、「早期検討」という備えを

ではどのような備えをしたら良いのか、様々な売主様からお話を伺ってきた中で、多くお聞きしたご意見を参考に、ご紹介させていただきます。

①. 引退するゴールを決める

早期検討をされ、クリニックを盛業状態のまま継承された売主さまに一番多くお見受けしているケースは、「ゴールを決めていたこと」です。このゴールとは、一定の年齢だけでなく、開業から丸〇年などの開業年数を目途とされている方もいらっしゃいます。予めゴールを決めておくことにより、ご家族や顧問士業との相談を密に行うことができ、急病となった際にも周りが迅速に対応することが可能になります。

②. 経営負担から解放された勤務の形も見据える

クリニックを運営されている方の中には、「○歳までは収入が欲しい」とお考えになり、なかなか勇退を踏み切れない方も多いのではないでしょうか。クリニックを譲ってしまうと収入がなくなってしまうと考えられがちですが、継承後のクリニックで非常勤として継続勤務できる場合もあります。これは後継者の方のお考え次第ですのでケース・バイ・ケースとはなりますが、患者さんやスタッフへの円滑で確実なお引継ぎという目的も含め、相談可能なケースもありますため、ぜひ担当者にご相談いただくことをおすすめいたします。

③.無料事前相談や譲渡価格の簡易査定だけでも仲介会社に相談してみる

弊社のような仲介会社に事前相談をしておくことで、担当者から様々な募集の方法案を聞くことができ、院長先生だけでなく家族も継承についての実際の情報を得られるため、ご家族内での相談の際に非常に有効となります。また、譲渡価格の簡易査定が無料な場合はそちらも是非ご検討ください。自身のクリニックがどれほどの評価で譲ることが出来るのかの目線感を持つことができるため、顧問士業との相談に非常に役立ちます。

第三者継承となると、なかなか踏み出せず、思い悩んでいる方も多いようにお見受けしております。クリニックの経営者として患者さんやスタッフへの責任を果たすだけでなく、自身のクリニックを本来の価値で譲るためにも、是非早い段階からのご検討をおすすめいたします。

第三者継承(承継)の無料相談実施中

クリニックの後継者問題については、親子間承継・第三者承継問わず、早めの着手が成功の決め手になります。メディカルプラスは創業以来、身近な医療を守りたいという想いを大切にクリニックに特化した第三者承継を支援し、豊富な実績がございます。無料相談を実施しておりますので、承継(継承)、医療法人M&Aにご興味をお持ちの方は、お気軽にこちらから【✉お問い合わせ】お問い合わせください。

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