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種類別医療法人数の年次推移について ~最新版:出資持分ありなし別~

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。
今回の記事では、日本国の医療法人数増減の年次推移を出資持分ありなし別に見るとともに、なかなか持分なし医療法人への移行が進まない理由について、お伝えしてまいります。

種類別医療法人の年次推移

平成19年の医療法改正に伴い、出資持分あり医療法人の新設はできなくなり、以後厚生労働省は既存の持分あり医療法人についても、持分無し医療法人へ移行するよう促してきました。
しかし、持分無し医療法人への移行はなかなか進んでいないと言われています。持分あり医療法人が新設できなくなってから15年が経過し、平成19年以降に新設された持分無し医療法人のM&A、事業承継というケースも少しずつ増えてきました。

ここで医療法人数の内訳を、総数、持分あり、持分なし毎に見てみましょう。厚生労働省の調査では、昭和60年から令和4年までの種類別医療法人数の推移は以下の通りとなってます。

データ出典:厚生労働省統計「種類別医療法人の年次推移」
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000956687.pdf

持分なし医療法人への移行はなかなか進まず

令和4年は医療法人社団総数56,774件のうち、持分あり医療法人が37,490件(66.0%)持分無し医療法人が19,284件(34.0%)となっています。平成19年の医療法改正から令和4年までの15年間で、持分なし医療法人は18,860件増加し、一方持分あり医療法人は5,713件の減少に留まっています。実に15年以上かかって持分なしは、やっと全体の約三分の一といったところです。なお持分あり医療法人の減少には、解散した法人も含みますので、持分無し医療法人の増加のうち新設法人が多くを占め、持分ありから持分なしへ移行した医療法人は少ないことが予想されます。

厚生労働省は、出資者の急な払い戻し請求により、医療法人の財務に影響を与えることが無く、医療法人が長期的に安定した経営を行っていくために持分なし医療法人への移行を促しています。しかし移行時間がかかっているのはなぜでしょうか。

自身で創業した理事長は、持分を放棄することに対し難色を示される方も多いようです。「出資して一から築き上げて大きくしてきた財産権をなぜ放棄しなくてはいけないのか」という気持ちもわかります。医療法人の長期的な安定経営という観点で考えてみると、全国の医療法人社団56,774件のうち47,295件(83.30%)の医療法人は一人医師医療法人(令和4年)です。一人医師医療法人は出資者=理事長であることが多く、出資金の払い戻し請求をするかどうかは理事長の判断により決めることができるため、持分なし医療法人へ移行する必要性を感じないということが背景にあるのかもしれません。
しかし、理事長のご子息は大変です。医療法人の純資産が10億円あり、資産の多くが不動産や医療機器で現預金は少ないという場合、相続税5億円をどうやって払うのか?という話です。一方で後継者がいない場合は、将来的にM&Aで売却・譲渡する可能性がありますので、その場合は持分ありの方が選択肢が広がる可能性が大きいと考えられます。

持分無し医療法人M&Aと持分あり医療法人M&Aはどっちがお得?

新認定医療法人制度とは?

持分ありと持分なしの医療法人は一概にどちらがいいということはできません。平成29年度の税制改正では、平成26年度に創設された認定医療法人制度の要件の見直しがされ、新認定医療法人制度が創設されています。新認定医療法人制度では要件を満たし持分なし医療法人へ移行することで、出資者の相続に係る相続税や出資者間のみなし贈与税が猶予ないし免除され、医療法人に係る贈与税も非課税となります。新認定医療法人制度により持分なしへの移行がさらにしやすくなっているのです。

ここで持分なし医療法人へ移行する場合のメリット・デメリットを以下にまとめます。

持分なし医療法人のメリット
出資持分についての相続税が課されなくなる
出資者から払戻請求を受けることがなくなる
急な出資持分の払い戻し請求がなくなるため、非営利性の徹底と医療の安定的な継続が図れる

持分なし医療法人のデメリット
●出資持分払戻請求権がなくなるため、剰余金があっても請求できない

「出資持分の評価額はいくらか」「現金はどのくらいあるか」「後継者の有無は」などといった前提条件によって取るべき対策は変わってきます。早めにシミュレーションを実施されることをおすすめします。ただし、一度持分なし医療法人へ移行してしまうと、再度持分あり医療法人に戻ることはできません。検討は慎重に行ってください。

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