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種類別医療法人数の年次推移について

  • 医療継承コラム

持分あり医療法人
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種類別医療法人の年次推移

本日は種類別医療法人数の年次推移となかなか持分なし医療法人への移行が進まない理由についてお伝えいたします。平成19年の医療法改正に伴い、出資持分あり医療法人の新設はできなくなり、以後厚生労働省は既存の持分あり医療法人についても、持分無し医療法人へ移行するよう促してきました。しかし、持分無し医療法人への移行はなかなか進んでいないと言われています。持分あり医療法人が新設できなくなってから10年以上経過し、平成19年以降に新設された持分無し医療法人のM&A、事業承継というケースも少しずつ増えてきました。

厚生労働省の調査によると、昭和60年から平成31年までの種類別医療法人の推移は以下の通りとなってます。

※上記には医療法人財団、特定医療法人、特別医療法人、社会医療法人は含んでおりません。

持分なし医療法人への移行はなかなか進まず

平成31年は医療法人社団総数54,416件のうち、持分あり医療法人が39,263件(72.2%)、持分無し医療法人が15,153件(27.8%)となっています。平成19年の医療法改正から平成31年までの12年間で持分無し医療法人は14,729件増加し、一方持分あり医療法人は3,940件の減少に留まっています。10年以上かかって持分無しがやっと3割に届こうとしているところです。なお、持分あり医療法人の減少には解散した法人も含みますので、持分無し医療法人の増加のうち新設法人が多くを占め、持分ありから持分無しへ移行した医療法人は少ないこと予想されます。

厚生労働省は、出資者の急な払い戻し請求により、医療法人の財務に影響を与えることが無く、医療法人が長期的に安定した経営を行っていくために持分無し医療法人への移行を促していますが、なかなか移行が進まないのはなぜでしょうか?

自身で創業した理事長は持分を放棄することに対し難色を示される方も多いようです。出資して一から築き上げて大きくしてきた財産権をなぜ放棄しなくてはいけないのか?という気持ちもわかります。医療法人の長期的な安定経営という観点で考えてみると、全国の医療法人社団54,416件のうち45,541件(83.69%)の医療法人は一人医師医療法人です。一人医師医療法人は出資者=理事長であることが多く、出資金の払い戻し請求をするかどうかは理事長の判断により決めることができるため、持分なし医療法人へ移行する必要性を感じないということが背景にあるのではないでしょうか?しかし、理事長のご子息は大変です。医療法人の純資産が10億円あり、資産の多くが不動産や医療機器で現預金は少ないという場合、相続税5億円をどうやって払うのか?という話です。一方で後継者がいない場合は、将来的にM&Aで売却・譲渡する可能性がありますので、その場合は持分ありの方が選択肢が広がる可能性が大きいと考えられます。

新認定医療法人制度とは?

持分ありと持分無しの医療法人は一概にどちらがいいということはできません。平成29年度の税制改正では、平成26年度に創設された認定医療法人制度の要件の見直しがされ、新認定医療法人制度が創設されました。新認定医療法人制度では要件を満たし持分なし医療法人へ移行することで、出資者の相続に係る相続税や出資者間のみなし贈与税が猶予ないし免除され、医療法人に係る贈与税も非課税となります。新認定医療法人制度により持分無しへの移行がさらにしやすくなりました。

持分無し医療法人へ移行する場合のメリット・デメリットを以下にまとめます。

【持分なし医療法人のメリット】
●出資持分についての相続税が課されなくなる
●出資者から払戻請求を受けることがなくなる
●急な出資持分の払い戻し請求がなくなるため、非営利性の徹底と医療の安定的な継続が図れる

 【持分なし医療法人のデメリット】
●出資持分払戻請求権がなくなるため、剰余金があっても請求できない

出資持分の評価額はいくらか?現金はいくらあるか?後継者の有無は?などといった前提条件によって取るべき対策は変わってきますので、早めにシミュレーションを実施されることをお勧めします。ただし、一度持分無し医療法人へ移行してしまうと、再度持分あり医療法人に戻ることはできないので、検討は慎重に行ってください。

※本コラムは2020年6月25日に加筆修正いたしました。

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