医療機関の休廃業・解散、倒産の17倍超
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こんにちは。メディカルプラスです。令和4年1月28日に帝国データバンクより「医療機関の休廃業・解散、倒産の17倍超」という動向調査が発表されました。
2021年の医療機関の休廃業・解散は567件
こちらの調査データによると、コロナ禍による受診控えや医療従事者の休職増加などの理由により、2021年の医療機関の倒産件数は、前年比6件増の33件となり、一方、2021年の医療機関の休廃業、解散件数は567件、前年比53件増加となっています。
休廃業、解散件数は過去最高水準になっており、とりわけ診療所の比率が高く、全体の休廃業件数のうち、83.1%(471件)が診療所となっています。
参照元:帝国データバンク【医療機関の休廃業・解散。倒産の17倍超】
2021年は倒産の17.2倍発生
休廃業は倒産と違い、借入金や買掛金などの負債がなく、債務免除などが必要ない健全な財務状況であることが前提となります。
2021年の休廃業・解散は倒産の17.2倍(休廃業・解散567件、倒産33件)、業態別では病院が12.0倍(休廃業・解散12件、倒産1件)、診療所が21.4倍(休廃業・解散471件、倒産22件)、歯科医院が8.4倍(休廃業・解散84件、倒産10件)となり、診療所の数値が特に高くなっています。
全国全業種の2021年の平均が9.1倍ですので、いかに医療機関の休廃業・解散率が高いかということがお判りいただけると思います。
診療所の休廃業・解散が加速する
全国に約18万件ある医療施設のうち、診療所の件数は約10万4,000となっています。この全国の診療所のうち院長の年齢が60歳以上の比率は82.5%(60代40.5%、70代42.0%)となっており、全国全業種の代表者の平均年齢60.1歳を大きく上回り、診療所の世代交代が特に進んでいないことがわかります。
診療所は病院と違い、院長が個人事業として始めた診療所が医療法人化された小規模な医療法人が多く、そのほとんどが後継者不在です。
今後コロナ禍による経営内容の悪化に加え、院長の高齢化が相まって、ますます診療所の休廃業件数が増加していくことと思われます。
こちらの調査データを見て、院長高齢化、後継者不在という課題を抱える診療所に対し、弊社が後継医師をご紹介することで、1件でも多くの診療所の不本意な休業、廃業を無くしていきたいと改めて感じました。
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