ホーム » 継承開業について

継承開業について

1 なぜ継承開業が増えているのか?

継承開業は開業方法の一つとして以前からありましたが、全体の開業件数において継承開業は極めて稀な開業方法でした。その理由は、医院継承を仲介する仲介会社がほとんどなく、優良な継承案件が市場に出回っていなかったためです。また以前は現在と比較してクリニックの数が少なく、探せば良好な診療圏の物件が沢山見つかったという背景もあります。 昨今は開業医の高齢化が進み、多くのクリニックで世代交代の時期を迎えております。しかし、クリニックの後継者 がいないクリニックが多く、多くのクリニックでは後継者問題を抱えています。 一方で年々クリニックの数は増え続け、良好な診療圏の物件を見つけるのが難しくなりました。日本では人口減少が続くなか、今後も診療報酬を抑制する政策が続くことが予想されます。クリニックの経営環境が厳しさを増すなか、多額の借り入れを伴い、患者ゼロからスタートする新規開業ではなく、既存の患者を引継ぎ低リスクに開業できる方法として継承開業を希望するドクターが増え、応じて継承開業の成約事例は年々増えております。

2 厳しくなるクリニック経営

全国のクリニック数は年々増加しており、平成24年に10万件を超え、その後も増加傾向が続いております。人口10万に対するクリニック数も年々増加しており、平成8年に人口10万人に対するクリニック数が70件以下だったのに対し、平成28年には80件を超えました。クリニックの数が年々増え続ける一方、今後の日本は人口減少が続きます。 内閣府の将来人口推計では、2048年(令和30年)に日本の人口は1億人を下回り、2060年(令和42年)には約8600万人まで人口が減ることが予測されています。 今後は開業医の高齢化と人口減少に伴い、クリニック数も減少に転じることが予測されますが、社会保障費の増加に伴う診療報酬の減少傾向は今後も継続することが予測され、クリニックの経営環境はますます厳しくなっていくことと思われます。

3 医院継承は事業拡⼤にも有効な⼿段

最近は同一医療法人で複数のクリニックを経営している医療法人も増えています。なかには広域医療法人として県をまたぎ十件以上のクリニックを分院展開している医療法人もあります。 クリニックを分院展開することで、経営リスクを分散することができ、またスケールメリットを活かし薬剤などの購買力を高めることができます。医院継承は、こうした医療法人の分院拠点の拡大にも有効な手段です。 病院の病床稼働率を上げるために、患者送り元となるサテライトクリニックを持つ医療法人もあります。このような一定規模の病床を有する病院にとっても、医院継承による分院拠点拡大は経営戦略の一つとして有効な手段の一つです。

4 継承開業のメリットとデメリット

継承開業では患者を引き継げるというのが最大のメリットですが、もちろんメリットだけでなくデメリットもあり ます。新規開業と継承開業ではそれぞれ下記のようなメリット・デメリットがあります。それぞれのメリット・デメリ ットを理解したうえで、自身の開業方法を検討されることをお勧めいたします。

新規開業
メリット
  • 自分の好きな物件、エリアで開業できる
  • 一から内装の設計ができるため、思い通のクリニックを作ることが出来る。
  • 医療機器や設備を自由に選ぶことができ、最新の設備をそろえることが出来る。
デメリット
  • 多額の初期費用がかかる。
  • 開業後に患者が来院する保証はない。
  • 資金調達の審査が厳しい
  • エリアにより医師会への入会が歓迎されない。
継承開業
メリット
  • 内装や医療機器など開業初期費用を抑えることができる。
  • 患者を引き継ぐことにより、開業当初から収益が見込め、事業の立ち上がりが早い。
  • 実績と信用を引き継げるため、銀行融資が受けやすい。
  • 開業準備期間を短縮することができる。
  • 医師会への入会がスムーズになる。
  • 新規採用が難しい専門職を含め既存スタッフを引き継げる。
デメリット
  • 内装や医療機器など設備が老朽化している。
  • 医療機器などの設備を自由に選ぶことが出来ない。
  • 開業場所を自由に選ぶことができない。
  • 営業権(のれん代)がかかる。