医院継承の流れ ⑦評価・分析

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医院継承(承継)、クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。
本日は【医院継承の流れ】の中の⑦評価・分析についてご説明致します。
必要書類をお預りし、クリニックの特徴・強みについてインタビューが終わると、お預りした資料とインタビューでお伺いした内容をもとに医療法人及び対象事業の分析と評価を実施します。
財務内容と事業収益性を分析
ここで行う分析評価とは、主に財務内容と事業収益性について分析と評価をおこないます。財務内容では大きな資産変動や簿外債務の有無などについて分析を行います。簿外債務とは貸借対照表には記載されていない債務のことをいい、従業員の退職給付引当金や賞与引当金、未払残業代、または保証債務など偶発債務などがこれにあたります。医療法人では従業員への退職金として中小企業退職金共済に加入しているケースも多く、中小企業退職金共済に加入している場合は中小企業退職金共済の他に支払いが生じる退職金の有無について退職金規定により確認を行います。またここ最近で何か高額な資産を購入したり、逆に重要な資産を売却したりといったことを確認し、そうした事実が確認された場合はその理由と対象事業に与える影響の分析を行います。
譲渡対象資産を簿価から時価評価へ修正
次に固定資産を簿価から時価へ修正します。固定資産の時価評価は償却資産台帳を確認し、減価償却を止めてしまっている資産が確認された場合、現時点における償却後の評価額に修正します。また既に償却済みで簿価がゼロになっている医療機器や車両のうち中古市場で取引相場がある場合は、市場取引価格を時価として修正します。実際に時価では価値がある資産を償却済みだからという理由で無償譲渡してしまうと利益供与と見做され贈与税の課税対象となる事があるので注意が必要です。過去に買ったゴルフ会員権やリゾート会員権、絵画、電話加入権なども同様に時価に修正します。未収金や貸付金等の債権がある場合はその回収可能性を検証します。全ての資産を時価に修正したらそこから負債を引いて時価純資産価格を算出します。
事業の収益性を評価
続いては譲渡対象事業の収益性評価についてです。多くの医療法人やクリニックでは一般中小企業と同様に何らかの利益調整をしています。ここでいう利益調整とは脱税のことを意味するわけではなく、税制に基づいた節税対策のことを言います。交際費や旅費交通費など節税用に計上していた経費を足し戻し、親族へ支払っている役員報酬やMS法人への委託費として計上していた経費も足し戻し実質的な営業利益を算出します。
医療法人の類型と社員役員の確認
M&Aの対象が医療法人である場合、出資持分の有無など医療法人の類型を確認し出資持分有りの経過措置型医療法人の場合、出資者及び出資者の出資割合を確認します。出資持分無しの医療法人の場合、一般の持分定めなし医療法人か?基金拠出型医療法人か?定款にて確認します。またいずれの類型の医療法人の場合も現時点における医療法人の社員と役員について確認しておきます。ここでいう医療法人の社員とは従業員である社員の事ではなく、医療法人の最高意思決定機関である社員総会(株式会社の株主総会にあたる)で議決権を有する社員のことです。
最終検討段階では買収監査を実施します。
これらの財務内容及び事業収益性の評価については、買収の最終検討段階において継承する側の医師及び医療法人が税理士や会計士、弁護士、社会保険労務士などの専門家へ依頼して買収監査(デューデリジェンス)を実施して精査します。買収監査(デューデリジェンス)については後日改めてご説明いたします。
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