医療機関の倒産、過去10年で最多

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新型コロナウイルスの影響により、病院、クリニック、歯科医院問わず多くの医療機関では診療報酬が減少し、厳しい経営環境が継続しております。政府は5月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて第2次補正予算案を閣議決定し、臨時的な措置として診療報酬の見直しが行われます。しかし今回の診療報酬の臨時措置は入院に対する診療報酬の見直しが中心となっており、外来診療や入院施設を持たないクリニックへの対策は織り込まれておりません。
また、政府は医療機関を含む企業、個人事業主に対して多様な資金繰りの支援策を講じております。新型コロナウイルス収束後の受診動向は以前のように戻るのか?あるいはニューノーマールになるのか?現時点ではわかりませんが、何らかの変化があることは間違いないでしょう。クリニックもコロナ収束後のニューノーマルを織り込んだ経営、資金繰り計画を立てておく必要があるでしょう。
医療機関の倒産、過去10年間で最多
少し前のデータになりますが、帝国データバンクの医療機関の倒産動向調査を見てみたいと思います。このデータは2020年1月のデータですので、新型コロナウイルスの影響が出始める前のデータになります。このデータでは、2019年の医療機関の倒産件数は45件(病院8件、クリニック22件、歯科15件)となっており、リーマンショックの前後となる2007年48件、2009年52件の倒産件数に次いで過去3番目に多い件数となっており、過去10年間では最多となっています。
倒産した医療機関の負債総額は223億円
2019年に倒産した医療機関の負債総額は223億7100万円(病院137億8700万円、クリニック75億9400万円、歯科医院9億9000万円)、1件当たりの負債額の平均値はクリニックが3億4500万円、歯科医院が6600万円となっております。倒産した医療機関の都道府県別の件数では、東京が6件と最も多く、次いで神奈川県が5件、大阪府、北海道、京都府、兵庫県、福岡県が各3件となっております。
先に述べた通り、現在政府は多様な支援策を講じて、医療機関含む企業の資金繰りを支援していますので、市場環境としてはかなり融資を受けやすい環境となっています。融資により当面の運転資金を確保しても安心することはできません。当然ながら融資は返済義務がありますので、金利優遇や返済猶予があってもいずれは必ず返済しなくてはいけません。一方、診療報酬見直しなど将来的な収入増が期待できなければ、短期的な融資を受けても返済の見通しがたたず、院長が高齢かつ後継者不在のクリニックでは廃業を選択するクリニックも今後相当数出てくるのではないかと思います。
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