クリニック閉院(廃院)時の医療機器の処分方法について

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こんにちは。医院継承・クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。
クリニックを閉院(廃院)する際には、さまざまな実務が発生しますが、その中でも「医療機器の扱い」は判断に迷われる先生が多い領域です。高額な設備であることに加え、廃棄や再販には法的な手続きや専門的な対応が必要になるため、早い段階で全体像を把握しておくことが大切です。

本記事では、閉院時の医療機器処分について、廃棄・再販・リース返却といった主な選択肢、費用の考え方、実務上の注意点を整理してご紹介します。なお、閉院そのものにかかる費用感や手続きについては、過去記事で解説しています。

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あわせてご覧いただくことで、閉院準備の全体像をより捉えやすくなるかと思います。クリニックの将来を考えるうえで、閉院と継承のどちらが適切かは先生によって異なります。医療機器の扱いもその判断材料の一つとして、本記事がお役に立てば幸いです。

閉院時の医療機器処分が大きなテーマになりやすい理由

クリニックの閉院(廃院)に向けて検討する際、「使用してきた医療機器をどうするか」は、多くの先生が早い段階で悩まれる点です。長く大切に使ってこられた設備であり、診療を支えてきた「相棒」のような思い入れを持たれている先生も、いらっしゃるのではないでしょうか。また、X線装置や内視鏡のように専門的な撤去作業が必要な機器や、電子カルテ・画像診断装置のように患者さんのデータを含む機器は、法令遵守や情報処理をともなうため、先生お一人で対応するには負担が大きくなります。

医療機器の扱いが閉院時に大きなテーマになりやすいのは、費用・専門的作業・法令対応・個人情報の処理という複数の要素が同時に発生し、判断の難易度が高くなるため です。ただこうした論点も、一つずつ整理していくことで、筋道が見えてきます。次章では、具体的な医療機器の処分方法と、その特徴についてわかりやすくまとめていきます。まずは大まかな選択肢から確認していきましょう。

医療機器の主な処分方法

閉院時の医療機器の扱いには、いくつかの現実的な選択肢があります。何が最適かは、機器の状態や導入時期、残存価値によって変わります。ここでは代表的な3つの方法を、ポイントを絞って整理します。

➀. 廃棄処分-老朽化した機器や再利用が難しい機器

使用年数が長く再利用が難しい機器は、廃棄処分となることが一般的です。ただ、医療機器には電気・電子機器リサイクル法の対象となるものや、有害物質を含むものもあり、安全性や法令遵守の観点から専門業者による対応が欠かせません。「ただ捨てればよい」では済まない点が特徴です。

➁. リサイクル・再販 ― 状態の良い機器なら中古市場での需要あり

耐用年数が残っている機器や精密機器は中古市場で需要があり、買い取りがつくケースも多くあります。閉院に伴う費用の一部を補える可能性があるため、状態が良い機器をお持ちの先生にはぜひ検討していただきたい選択肢です。

➂. 寄付 ― 社会貢献としての選択肢

発展途上国の医療機関やNPOへの寄付という形で手放す方法もあります。再販が可能な機器でも、「役立つ場へ届けたい」と希望される先生も少なくありません。その場合は、信頼できる団体かどうかを慎重に確認することが大切です。

医療機器処分で抑えておきたい注意点

医療機器の処分は、単に機器を手放すだけではありません。安全性・法令・個人情報といった観点が関わるため、事前に確認しておくべき点があります。実は閉院準備の中でも特にトラブルになりやすい部分でもあり、ここを丁寧に進めることで負担を大きく減らすことができます。

➀. 法令や規制を正しく押さえる

医療機器には、感染性廃棄物や有害物質を含むもの、電気・電子機器リサイクル法の対象となるものなどがあり、決められた手順で処理しなければなりません。誤った方法で廃棄してしまうと、廃棄物処理法違反として罰則を受ける可能性があります。どの機器がどの法律に該当するのかを正しく把握することが大切ですが、法令は専門性が高いため、先生ご自身だけで判断しようとせず、保守会社や専門業者と一緒に確認しながら進めると安心です。

➁.個人情報・診療データの削除を確実に行う

電子カルテ端末やレントゲン・エコー機器には、患者さんのデータが残っていることがあります。削除を怠ったまま廃棄・譲渡すると情報漏えいにつながるため、閉院準備の中でも特に慎重に進めるべき工程です。初期化で対応できるものか、メーカーや専門業者による削除が必要かを早めに確認し、処分のスケジュールに合わせて計画的に進めることが重要です。

➂. 機器の扱いは慎重に

医療機器の中には重量があり精密性の高いものも多く、力任せに移動させると破損だけでなく周囲の設備に影響する恐れがあります。撤去や移設を進める際は、取扱説明書やメーカーの指示を確認し、必要に応じて専門業者に依頼するのが安全です。

➃.リース契約中の機器は自由に処分できない

リース契約で導入した機器は所有権がリース会社にあり、勝手に処分することはできません。契約期間や返却条件、中途解約時の費用など、処分に関わる項目は契約書に細かく定められています。閉院のタイミングと契約期間が合わない場合、違約金や返却時期の調整が必要になることもあります。第三者への譲渡を検討する際にもリース会社の同意が必要となるため、早めに相談しておくことで後の負担を避けやすくなります。

信頼できる業者を選ぶための判断基準

医療機器の処分を進める際には、どの業者に依頼するかによって負担も結果も大きく変わります。機器の種類や状態、処分方法によって必要な専門性が異なるため、業者選びは慎重に進めたいところです。ここでは、実務で特に意識しておきたい判断基準を整理します。

➀.実績と専門性

まず、医療機器の取り扱いに十分な経験を持つ業者かどうかは大切なポイントです。過去の撤去事例や再販実績など、扱ってきた案件の幅を確認することで、その業者が医療現場の設備にどれだけ理解を持っているかが見えてきます。精密機器の構造や撤去手順に詳しいスタッフが関わっているかどうかも、安心して任せられるかの判断材料になります。

➁.適正な処分手続きや法令への対応

次に、処分手続きや法令への対応が適切に行われているかどうかです。医療機器のなかには法的な規制が関わるものもあるため、依頼先がその点を確実に押さえているかは重要です。廃棄方法が法律に沿っているか、必要な書類が正しく発行されるかなど、細かな部分まできちんと対応してくれる業者であれば、先生の負担も減ります。

➂.コストパフォーマンス

最後に、費用面の妥当性です。処分費用は機器の種類や状態によって大きく異なりますが、価格だけで判断すると必要な工程が省略されてしまうケースもあります。複数の業者に見積りを依頼し、費用だけでなくサービス内容や対応の丁寧さも含めて比較していくと、納得感のある選択につながります。

医療機器の処分費用はどんな場面で発生する?

医療機器の廃棄処分費用は、機器の種類、サイズ、状態、廃棄方法、業者によって大きく変動します。正確な費用については、実際に業者に見積もりを依頼する必要があります。機器の種類、サイズと重量、状態、廃棄方法、業者や処理に必要な手続きの複雑さによって異なり、数万円以上かかることもあります。

機器の種類X線装置、CTスキャナー、MRI、内視鏡、超音波診断装置など、機器の種類によって費用が大きく異なります。大型で複雑な構造の機器ほど、処分費用が高くなる傾向があります。
サイズと重量機器のサイズと重量が大きいほど、運搬や解体作業に手間がかかり、費用も高くなります。
状態使用年数や損傷の程度によって費用が変動します。古い機器や故障している機器は、処分費用が高くなる場合があります。
廃棄方法廃棄方法の種類として①リサイクル②リユース③解体④埋め立てなどがあります。それぞれの方法によって費用が異なります。
業者技術力や実績、サービス内容が異なるように費用も異なります。複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。

まとめ

クリニックの閉院に向けた医療機器の扱いは、費用・法令・作業負担が重なるため、先生お一人では判断しづらい場面も多いものです。ただ、機器の状態や契約内容を順に整理していくことで、必ず進むべき方向が見えてきます。廃棄・再販・寄付といった方法にはそれぞれ特徴があり、選択によって費用構造も大きく変わります。必要に応じて専門業者と連携しながら、無理のない形で準備を進めていただければと思います。

医療機器は、先生が長年の診療を支えてこられた大切な資産です。閉院を前提に整理を進めることもできますし、第三者への継承によって設備一式を次の世代へ引き継ぐことも可能です。どの道を選ばれるにしても、「どう扱うか」を丁寧に検討することが、納得のいく締めくくりにつながります。閉院全体の費用や流れについては関連記事でも解説していますので、併せてご覧いただくと全体像がより掴みやすくなるはずです。

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医療機器の扱いを検討される段階では、「閉院として進めるべきか」「誰かに引き継ぐ道があるのか」といった、より根本的な選択に迷われる院長先生も少なくありません。私たちメディカルプラスは、医院に特化した継承支援(クリニックM&A)を通じて、多くの先生の決断をお手伝いしてきました。診療のこだわりや地域への想いを丁寧に伺いながら、先生にとって最も納得のいく選択をご一緒に整理していきます。

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