【第三者医院継承事例】 千葉県(北西部)×皮膚科クリニック 最終譲渡契約調印

こんにちは。メディカルプラスです。
このたび、千葉県北西部にあります長年地域医療を支えてこられた皮膚科クリニックにおいて、最終譲渡契約の調印を迎えましたので、レポートとしてご紹介いたします。本レポートが、第三者医院継承をご検討中の院長先生、また継承開業を検討されている先生方にとって、ひとつの判断材料となりましたら幸いです。
本譲渡案件の特徴
当該クリニックは、20年以上にわたり地域の皮膚科医療を担ってきた医療機関です。最寄り駅から徒歩数分という利便性に加え、30台規模の駐車場を備えた医療モール内(2階)に位置しており、徒歩・車いずれの患者さんにとっても通院しやすい、希少性の高い立地でした。医療モール内には内科や整形外科など複数科目が入居しており、日常診療のなかで自然な受診導線が生まれやすい環境であったことも、長年にわたる安定した集患を支えてきた要因のひとつです。
診療内容は、地域に根差した一般皮膚科を軸とし、日常的に多い皮膚トラブルを幅広く診療されてきました。湿疹・かぶれ・アトピー性皮膚炎といった慢性疾患に加え、とびひなどの感染性皮膚疾患、ヘルペス・帯状疱疹、水虫(足・爪)まで、患者さんが「まず相談したい」と感じる症状に網羅的に対応。また、いぼ・ほくろといった皮膚のできものの相談にも応じており、その守備範囲の広さが、地域のかかりつけとしての信頼につながっていました。
診療方針についても分かりやすさを重視されており、保険診療を中心に据えつつ、必要に応じて自由診療の選択肢を用意する運用が取られていました。しみ治療は外用剤を中心とし、レーザー治療は実施しない方針を明確にする一方で、AGAについては内服治療の選択肢を整えるなど、方針の伝わりやすい診療設計がなされていました。
さらに運用面で、予約制に限定せず急な皮膚症状にも対応しやすい体制を確保。ニキビ肌・乾燥肌・敏感肌などに向けたスキンケア用品の取り扱いもあり、診療と日常ケアをつなぐ提案が行われていました。外来患者数は1日100名以上、繁忙期には150名を超える日もあり、高齢者から子育て世代、働く世代まで幅広い層が来院。長年の信頼に支えられ新患も継続的に来院していた点は、本件を特徴づける重要な要素でした。
売主様のご相談背景
売主である院長先生は、長年にわたり地域医療に尽力され、患者さんや地域のご家族から厚い信頼を集めてこられた先生です。メディカルプラスへの初回のご相談は「後継者不在」に関するお問い合わせでした。他社にもご相談されたものの、候補者のご紹介が思うように進まず、またご体調面での変化(大病後の体力低下)をきっかけに、「この先も責任をもって診療を続けていくためには、早めに承継の道筋をつける必要がある」とのご判断に至られました。また先生のご友人・お知り合いがメディカルプラスの支援を受けていたというご縁もあり、2023年8月より正式に後継者探索を開始する運びとなりました。
本案件の特徴をあらためてまとめると、以下の通りです。
【クリニックの特徴】
- 駅徒歩圏かつ医療モール内という希少性の高い立地
- 徒歩・車の双方に対応できる通院環境
- 長年の診療実績による地域での高い認知度・信頼
- 新患が継続的に来院する安定した集患基盤
- 保険診療を中心としつつ、必要に応じた自費診療の選択肢を整備
- 予約制に限定しない柔軟な診療体制により、幅広い年齢層の患者さんに対応
【本案件の課題】
- 都心からのアクセスは立地によっては乗り換えを要し、候補者によって評価が分かれやすかった点
- 競合が少ない一方、中長期的には人口動態の影響を受け得る可能性があった点
- 皮膚科の運営を実務面まで理解し、かつ管理医師として責任をもって診療に入れる候補者が求められた点
【成約の決め手となった点】
- 買主様が、継承後も管理医師として診療に入る体制を前提としており、売主様が「診療を任せられる」と判断できた点
- 皮膚科クリニックの運営や第三者継承に対する理解が深く、引継ぎ後の診療・運営について具体的なイメージを共有できた点
- 「20年以上にわたり築かれてきた医院のブランドを大切に引き継ぎたい」という買主様の姿勢が、売主様の安心につながった点
- 売主様のご厚意により、譲渡条件が現実的かつ整理された形で提示されていた点
- 譲渡後もしばらくの間、売主様が一定期間勤務・引継ぎにご協力いただける体制が整っていた点
- テナントオーナー様においても「地域医療を残したい」という意向が強く、賃料条件等の調整が比較的スムーズに進んだ点
本件は、2023年6月に売主様よりご相談をいただき、約2年7か月後の2026年2月に最終譲渡契約の調印を迎えました。
ご相談時、院長先生からは「クリニックも経年化しているので後継者は現れにくいのではないか」とのご懸念が示される一方で、どういった方に継承していただきたいか、また院長として責任を背負い地域医療に従事してきたこれまでのお気持ちも、丁寧にお話しいただきました。そのご意向を踏まえ、後継者探索の進め方や募集条件についても、院長先生とひとつひとつ確認しながら整理を進めていきました。
2023年8月には後継者募集および情報公開を行い、第三者継承に向けた具体的な検討がスタート。その後、複数の候補者とのご縁を模索する期間が続きましたが、立地条件や診療体制への理解、継承後の運営イメージについては、表面的な条件だけでなく、院長先生がこれまでどのような考えで診療に向き合ってこられたのかを含めて、丁寧にすり合わせていく必要がありました。特に、院長先生が真摯に診療に打ち込んでこられたお人柄や経営方針から、継承後も安定した運営が見込めることについては、関心を持たれた候補者様に対して繰り返しお伝えしていきました。
売主様・買主様双方の考え方が合致するご縁が繋がったのは、2025年8月のことです。穏やかながらも熱意を持ち、将来的な診療体制についても具体的なビジョンをお持ちの候補者様とのトップ面談では、多くの質問が交わされ、継承後の姿が具体的に共有されていく様子が大変印象的でした。候補者確定後は、譲渡条件や引継ぎ体制について具体的な調整を重ね、2026年1月に最終合意に至りました。そして2026年2月、最終譲渡契約の調印を迎え、成約となりました。
継承を視野に入れた早い段階から、院長先生が資料準備や情報整理に積極的にご協力くださったこと、また候補者様が地域医療の継続に対して高い意欲を持ち前向きに意思決定されたことが、今回のご縁につながったものと感じています。
本稿以外の成約実例をご覧いただくとお分かりいただけると思いますが、数か月で成約に至るケースもあれば、本件のように時間をかけて進める継承もございます。いずれの場合も、売主様・買主様双方が納得できる形でバトンをつなぐことが何より重要です。引き続きクロージングに向けた整理や引継ぎが続きますが、最後まで丁寧に誠心誠意心をこめて伴走しながら、サポートを行ってまいります。
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この事例を担当したのは、弊社アドバイザー 神子 誠です
学生時代にお客様からの感謝の言葉に触れた経験からサービス業に惹かれ、自動車メーカーで9年間のサービス業務に従事。その後メディカルプラスの理念「地域医療の継続と発展に貢献する」に共感し、2018年に入社。以来、50件以上のクリニック継承支援に携わり、お客様一人ひとりのニーズに応じたきめ細やかなサポートを提供。名前の通り誠実な対応と豊富な経験が、多くのクライアントから高い評価を受けている。
