医院継承の流れ ⑮デューデリジェンス

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医院継承(承継)、クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。
本日は【医院継承の流れ】の中の⑮買収監査(デューデリジェンス)についてご説明します。
基本合意契約の締結が終わると次は対象医療法人及び対象医院のデューデリジェンスを実施します。売手側の院長がクリニックの譲渡価格を決める際、バリューエ―ションという指標に基づいて譲渡価格が決めれられています。しかし、今までは売手側から買手側に対して一方的に開示された資料と情報に基づいて交渉が行われてきたため、売手側と買手側が把握している情報には大きな差があります。それでは買手側の医師は譲渡価格が適正なのかどうかを判断することができません。
デューデリジェンスではこうした情報の非対称性をなくすために、買手側から売手側に対して買収監査実施のために必要な追加資料を依頼し、提示された資料や情報が適正なものであるか?買収金額は妥当かどうか?といったことを会計士や税理士、弁護士、社会保険労務士などの専門家を入れて検証してもらいます。買収監査を行う各専門家は買手側が依頼します。
医院承継後のリスクを把握するためにデューデリジェンスは実施することをお勧めしますが、案件の規模が小さい場合や、クリニックの事業譲渡などの場合にはデューデリジェンスを行わず、想定されるリスクを最終譲渡契約書の表明保証の中に全て書き加えてクロージングを行うこともあります。
デューデリジェンスの種類
デューデリジェンスには以下の様な種類があります。
・財務デューデリジェンス
・税務デューデリジェンス
・法務デューデリジェンス
あとは一般営利企業のM&Aや大規模基幹病院のM&Aなどでは、市場や将来性を調査するビジネスデューデリジェンスや、管理システム統合やサーバー情報の漏洩リスクなどについて調査するITデューデリジェンスを行うこともありますがここでは割愛します。
簿外債務の有無を確認
先ず財務デューデリジェンスでは、簿外債務の確認、キャッシュフローの確認、不正経理の調査などを行います。簿外債務調査は財務デューデリジェンスの中でも最も重要な役割の一つです。簿外債務とは貸借対照表には記載されていない従業員の退職給付引当金や賞与引当金、未払残業代、未払社会保険または保証債務などの事をいい、こうした簿外債務の有無を調査します。キャッシュフローの確認では、従業員給与台帳やレセプト総括表、社保国保支払決定通知書などの確認を行い、決算書に記載されている数字との整合性を確認します。病院や院内処方のクリニックやなど薬剤の仕入在庫が大きい場合には、在庫薬剤の棚卸を実施して帳簿上の在庫との整合を確認した方が良いでしょう。
税務デューデリジェンスでは、税務申告書の調査や、過去に税務調査が実施されている場合はその内容を確認し、未納の税金や追徴課税の可能性有無等を調査します。
法務デューデリジェンスでは、登記や許認可、行政への届出が適性に行われているか?医院承継による理事長の変更が賃貸借契約やその他各種契約条項に違反するものではないか?出資持分は有効に譲渡できる状態にあり取引は適法であるか?といったことを調査します。また従業員との労使係争や患者との医療訴訟の有無などについても検証を行います。
デューデリジェンスの結果を最終譲渡契約へ反映します
デューデリジェンスの結果、何か大きな問題や簿外債務などが発見された場合は最終譲渡契約の内容に反映します。例えば譲渡スキームを医療法人の出資持分譲渡から事業譲渡に変更したり、譲渡価格を調整したり、最終譲渡契約の表明保証に追記したりといった対応を行います。デューデリジェンスで発見されたリスクが買手側の許容範囲を超えたものである場合には取引そのものが中止になることもあります。
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