医院継承の流れ ⑧概要書作成

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医院継承(承継)、クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。
本日は【医院継承の流れ】の中の⑧概要書作成についてご説明致します。
譲渡対象クリニック及び医療法人の分析・評価が終わると次は概要書を作成します。概要書はノンネーム資料とインフォメーションパッケージと言われる2つの資料を作成します。
ノンネーム資料(匿名)
ノンネーム資料とは、売却するクリニック及び医療法人の概要をA4資料1枚程度にまとめたものです。ノンネーム資料はその資料だけでは譲渡対象の医療法人が特定できない程度の簡単な情報をまとめた匿名の資料です。先日ご説明したとおりクリニックの売却情報は重要な機密事項です。この段階では買手候補先の医師や医療法人とまだ秘密保持契約を締結していないことが多いため、先ずはこのノンネーム資料で買手候補先に買収を打診します。ノンネーム資料で売却対象クリニックが特定されては大変なので買手候補先に打診する前に必ず売却側の院長に確認を行います。一般的にノンネーム資料で開示する情報としては、エリア、診療科目、医療法人格の有無、年商、利益、売却価格、譲渡理由、譲渡希望時期、診療内容の特徴などを明記します。脳外や神経内科などクリニックの開設数が少ない診療科目は、開設数が多い内科や整形外科などよりもエリアを広めに設定しておかないとノンネーム資料で売却対象医院が把握されてしまいますので注意が必要です。ノンネーム資料では買手候補先が興味を持つようにクリニックの事業内容を魅力的に伝える事がポイントです。
【ノンネーム資料(参考)】
インフォメーションパッケージ(詳細資料)
買手候補先から商談申込が入り売主のネームクリアが終われば、買手候補先と秘密保持契約を締結の上、インフォメーションパッケージを開示して買収可能性を検討していただきます。インフォメーションパッケージでは譲渡対象の医療法人及びクリニックの名称、所在地、理事長院長名、開設年月日、法人格有無、事業拠点及び事業内容等の事業概要、従業員引継ぎ希望有無、その他売却希望条件、内外装の写真、医療機器の写真一覧表、過去3期分の財務内容(B/S)事業収益(P/L)など譲渡対象医療法人の詳細情報をまとめます。売上が減少している場合等はその要因や買収後の伸びしろの有無などについても明記します。ここで買収候補先にクリニックの情報や魅力をしっかりと伝えるためにも院長の事前インタビューは大事です。参考として当社で作成しているインフォメーションパッケージの一例を以下にご紹介いたします。
【インフォメーションパッケージ(参考)】
インフォメーションパッケージで検討していただいた上で買収候補先が追加資料の開示を希望した場合、売却側の院長の承諾を得て追加資料を開示します。追加資料の開示・検討の上、買手候補先から医院継承を前向きに検討したいとの申し出があった場合、マッチング(トップ面談施設見学)を行います。前述した商談申込とネームクリアについては改めてご説明いたします。
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