医師は何歳で開業する? クリニック開業の平均年齢と実情

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こんにちは。医院継承・クリニックM&A支援のメディカルプラスです。現在勤務医としてご活躍の先生は、「いつかは自分のクリニックを持ちたい」「将来的に独立もいいかも」と思う瞬間があるかもしれません。またすでに開業された先生でも「自分の開業は早かったのか、遅かったのか」と振り返ることがあるのではないでしょうか。実際、弊社に継承開業をご相談いただく先生方からも「この年齢での開業は一般的ですか?」というご質問をよくいただきます。

では、医師は何歳で開業を始めるのが一般的なのでしょうか。これは年齢だけでなく、医局や家族の事情、資金調達といった要因が関わるためタイミングに「正解」はありません。しかし、世の中の医師がどの年齢でどんなきっかけで独立しているのかを知ることは、ご自身のキャリアを考える上で大きなヒントになるかと存じます。本記事では、開業のきっかけや平均年齢から年齢ごとの特徴とリスク、そのリスクの回避方法のトレンドについて、過去のデータを交えてまとめました。ぜひご参考ください。

医師がクリニック開業を考えるきっかけ

思い切って開業に踏み切る理由は先生ごとに異なります。しかし私共が多くの先生方とお会いし、開業への前向きな気持ちをお伺いしていると、その内容には一つの方向性があると感じます。「自分なら、こういう医療を実現したい」という思いが芽生えたからという点は、多くの先生に共通しているのではないでしょうか。

ここで、日本医師会総合政策研究機構が2009年に行った調査をご紹介いたします。少し前のデータではございますが、2025年現在においても現場に通じる傾向が見て取れると思います。

医師のクリニック開業動機

この調査の開業動機として最も多かったのは 「理想の医療の追求」(42.4%) でした。勤務医の立場では診療方針や働き方に制約が多く、十分に実現できない理想を、自分のクリニックで形にしたいという思いが、開業の原動力となっていることが見て取れます。

続いて多かったのは 「将来に限界を感じた」(35.1%)「経営も含めたやりがい」(26.3%) などです。私共のご相談の場でも「勤務を重ねる中で、この先のキャリアをどう描くか考えるようになった」「キャリアの節目に自分の医院を持ちたい」といった声を、よくお聞かせいただきます。働き方や家族の事情・収入の安定などの状況によって、独立の背中が押されるタイミングは異なりますが、共通しているのは「自分の裁量で診療や働き方を決めていきたい」という思いです。「患者さんと人間関係を築きながら最適な医療を提供したい」「もっと一人ひとりに丁寧に向き合いたい」といったお声も多く寄せられますので、こうした理想とする医療への思いが現在の勤務環境では実現できないと感じた時に、先生方は開業を意識されるではないでしょうか。

さらに現実的な側面として、クリニック開業には勤務医に比べて高収入を得られるというメリットがあります。一方で経営責任や人材管理といった労務負担も背負うことになりますが、それも「理想の医療を実現するための新しいステップ」と未来志向にとらえ、開業を検討する医師が多い、と私共は受け止めております。

*参照元:日本医師会総合政策研究機構 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査
開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査 | 日本医師会総合政策研究機構 (med.or.jp)

開業医の平均年齢と傾向

同じ調査によると、新規開業時の平均年齢は 41.3歳 でした。さらに、新規開業から5年以内では 44.9歳 と、比較的高い年齢層で開業されるケースが多いことが分かります。

新規開業の場合の開業後年数別開業年齢

*参照元:日本医師会総合政策研究機構 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査
開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査 | 日本医師会総合政策研究機構 (med.or.jp)

この背景には、専門医の取得臨床経験の蓄積開業資金の準備など、キャリア形成のさまざまな要素が関わっています。勤務医としての忙しい日々の中で準備を進めるのは容易ではありませんので、結果として「十分に力を蓄えてから開業する」という流れになりやすいのです。実際に先生方にお話を伺うと「医師として一人前になった自負を持てる年齢で開業したい」という声もあり、開業がキャリア上の区切りとして位置づけられている側面もうかがえます。

一方で、近年は継承開業という手段が広く知られるようになり、比較的若い年齢での開業も可能になっています。既存の設備や患者基盤を引き継ぐことで準備期間を短縮でき、経営の安定性も得られるため、従来の新規開業とは異なる選択肢として注目されています。「できるだけ早い時期から自分の裁量で医療を提供したい」と考える先生にとっては、開業の有力な手段になりつつあり、私共がお役に立てる分野になりますのでご検討ください。

継承開業のメリット・デメリットとは? ~失敗しないための検討ポイント~

こんにちは、メディカルプラスです。ゼロから開業する「新規開業」に加えて、既存クリニックを引き継ぐ「継承開業」という選択肢が、近年ますます注目されるようになっています。私たちにも、継承開業を検討する先生方からのお問い合わせが、年々増えてきました。患者さんやスタッフ、内装や医療機器など、関係性と資産ごと受け継ぐかたちでスタートできる継承開業は、経営の現実に向き合う医師にとって、ますます現実的な選

開業年齢によって変わる収入・働き方の違い

前章では、医師が開業する平均年齢についてご紹介しました。では実際に「何歳で開業するか」によって、収入や働き方・直面するリスクはどのように変わってくるのでしょうか。ここでは厚生労働省の統計データを踏まえつつ、年代ごとの特徴を整理してみます。

収入面の比較(勤務医と開業医の違い)

開業する年齢を考える上で多くの先生が気にされるのが「収入」です。勤務医と開業医では平均年収にどの程度の差があるのかを、最新の統計データから確認してみましょう。厚生労働省「第24回 医療経済実態調査(令和5年実施)」によれば、

●開業医の平均年収:約2,631万円
●病院勤務医の平均年収:約1,461万円

と報告されています。単純比較では開業医は勤務医の約1.8倍の収入を得られる計算です。ただしこれはあくまで平均であり、診療科や地域、開業形態によって差がある点には注意が必要です。そして重要なのは、この収入差が「何歳で開業するか」によって意味合いが大きく変わるということです。若い世代で開業すれば長期的に収入増を享受できますし、年齢を重ねてからの開業であれば生活の安定性や投資回収のバランスを考える必要が出てきます。つまり、「何歳で開業するか」によって収入の意味合いも大きく変わってくるのです。

*出典:厚生労働省:第24回 医療経済実態調査 報告書 PDF
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/24_houkoku_iryoukikan.pdf

ここからは年代別に開業の特徴とリスクをまとめましたので、ご覧ください。

30代での開業の特徴とリスク

30代で開業する最大のメリットは、早い段階から収入増を享受できる点にあります。ローンの返済期間も長く取れるため、資金計画に余裕を持てるのも利点です。体力や柔軟性が高く、新しいことに挑戦しやすい世代でもあります。一方で、まだ臨床経験や経営知識が十分でないケースが多く、スタッフや地域社会との信頼関係を築くには時間がかかることもあります。実際に30代でご相談に来られる先生からは「体力のあるうちに勝負したい」「ローン返済を早めに始めて安心したい」といった声をよく伺います。

40代での開業の特徴とリスク

40代は臨床経験や専門医資格が整い、資金面でも準備がしやすいため、開業にもっともバランスの取れた世代と言えます。キャリアの節目として「自分の医院を持ちたい」と考える先生も多く、この年代での開業は比較的安定感があります。ただし、子どもの教育費や住宅ローンといった家庭のライフイベントと重なりやすく、開業資金との両立に悩むケースも少なくありません。また、意思決定を先送りにしてしまうと、最適な開業のタイミングを逃してしまうリスクもあります。弊社への相談時のお言葉としては、「資格も資金も整ったので、今がよいタイミングだと思う」といった前向きなご相談が多くございます。

50代での開業の特徴とリスク

50代での開業は、長年の臨床経験や患者さんからの信頼を活かせる点が大きな強みです。「自分の理想とする医療を最後に形にしたい」と考え、開業を選ばれる先生も多い印象です。しかし、開業に伴う設備投資の回収期間が短くなるため、経営計画には慎重さが求められます。また、体力面の負担や後継者問題も同時に考えていく必要があり、次の世代への承継を視野に入れながらの開業になるケースもあります。実際に50代の先生からは「地域に残るクリニックを最後の仕事にしたい」という声をいただくこともあります。

開業年齢とリスク軽減の方法

こうして見ていきますと、どの年代であっても、開業には「資金面・準備面での負担」という共通したリスクがあります。年齢によって強みや課題は異なりますが、いずれのケースでも 「どうリスクを軽減しながら開業に踏み切るか」 が重要なポイントになります。まず一般的な方法としては、自己資金の積み立てや金融機関からの融資を計画的に進めることが挙げられます。また診療圏調査や事業計画を早めに作成しておくことで、開業後の経営を安定させやすくなります。勤務医としての仕事を続けながら段階的に準備を進める、という選択も現実的な方法のひとつです。

そのうえで近年注目を集めているのが 継承開業 です。既存のクリニックを引き継ぐ形で開業することで、設備やスタッフ、患者さんの基盤を最初から持つことができ、資金的な負担や立ち上げリスクを大幅に抑えられます。若い世代の先生にとっては「経験を積みながら挑戦しやすい選択肢」となり、50代以降の先生にとっては「短期間で経営を安定させやすい手段」として低リスクの開業が可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、過去の統計データを参考にしながら、2025年現在の実情を踏まえた視点で医師の開業年齢を整理しました。医師がクリニックを開業する平均年齢は40代前半とされています。ただし実際には30代で挑戦する先生もいれば、50代になってから開業される先生もおり、「何歳が正解」というものはありません。各年代にはそれぞれの強みとリスクがあり、ご自身のキャリアやライフプランに合わせて判断することが重要です。

収入や働き方の違いを含め、年齢ごとに見えてくる特徴はさまざまですが、共通する課題は「資金や準備の負担」です。そのリスクを軽減する有効な手段の一つが 継承開業 であり、既存の基盤を活かすことで年齢を問わず挑戦しやすい方法として注目されています。私たちメディカルプラスは、こうした継承開業のサポートを専門に行っておりますので、ご関心のある先生はぜひお気軽にご相談ください。

*実際に継承開業された先生の声もご紹介しています。リアルな経験談に触れていただくことで、ご自身のキャリア設計の参考にしていただければ幸いです。

メディカルプラス継承開業|ドクターインタビュー https://www.medicalplus.info/voice/buy/

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