クリニックを誰にどう引き継ぐか悩んだら ~継承の3つの選択肢~

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こんにちは。医院継承・クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。クリニックで後継者が不在の場合でも、具体的なきっかけがあるまで行動に移さない院長先生が多いのが現状です。医院継承についてご相談いただく際にも、「譲渡による継承を考えるか、それが難しい場合は閉院かと頭の片隅で思いながらも、日々の診療に追われて気づけば後回しになっていました」というお声をよく伺います。「後継者がいない」、また「子どもは医師だが継ぐ意思がわからない」といった悩みを抱えたまま、例えばご自身が体調を崩されたことをきっかけに、初めて医院の将来を考えたというケースも少なくありません。

クリニックをどのように未来へつなぐか、それとも閉院を選ぶのか、そのご選択は先生ご自身の歩んできた医療人生の延長線上にある大切なテーマだと私どもは考えております。本記事では、クリニックを誰にどう譲渡するかで悩んだときに整理しておきたい、3つの方向性について解説いたします。

まず整理したい「医院継承」の3つの選択肢

医院継承には、大きく分けると「親族に引き継ぐ」「知人・後輩医師に譲る」「第三者の医師に譲る」という3つの選択肢があります。どの形にもそれぞれの良さや難しさがあり、これが正解というものはありません。大切なのは、先生ご自身がどんな思いで医院を続けてきたのか、そしてその思いをどのように未来へつないでいきたいのかを、少しずつ整理していくことです。そして私たちの経験上、「どの選択肢を選ぶか」よりも「いつから考え始めるか」のほうが、結果に大きく影響していると感じます。早い段階で方向性を整理しておくことが、先生にとって納得のいく継承につながるとお考えいただければと思います。では個別に見ていきましょう。

選択肢①:親族に引き継ぐ(親子間・親族継承)

ご親族に継承する場合、最も多いのは「子どもが医師であるケース」です。親の背中を見て医師を志す方も多く、親子で同じ道を歩まれるケースは少なくありません。当社へご相談いただく際にも、「子どもも医師だが、継ぐ意思があるかどうかをまだ確認していない」というお話を伺うことがあります。そのような場合、まずはご家族またはご親族への意思を確認していただくようお願いしています。なぜならこれまで話題にしたことがなくても、心のどこかで「いつか自分がクリニックを継ぐかもしれない」と考えていることも、あるからです。一方で、もしそうした意思がなかった場合でも、何の相談もないまま第三者へ譲渡が決まれば、中には驚きや寂しさを感じる方もいらっしゃいます。

親族継承は、クリニックの歴史や患者さんとの関係を最も自然に受け継ぎやすい形の一つで、だからこそ「お互いの気持ちを確かめる」ことが大切です。早い段階で「もし自分が引退したら…」という切り出し方で、フランクに話せる機会を設けておくとよいでしょう。いきなり継承の話が出ると、うすうすは考える時がくる、いつかは必要だと感じていたとしても、心の準備ができずに決断しづらいこともあるからです。ほか独立は検討していても、院長先生の標榜している科目と親族が志向する科目が異なる場合もあります。その場合は調整も必要となりますので、やはり事前の話し合いは早めであるに越したことはありません。なお、兄弟姉妹や甥・姪など、親族のなかに医師がいる場合も同様で、早い段階からコミュニケーションをとり、意思を確認しておくと良いでしょう。

選択肢➁:知人・後輩医師に譲る(縁故継承)

子どもや親族に継ぐ意思がない場合、次の選択肢として「勤務医や知人の医師への継承」があります。いま現在クリニックで一緒に働いている管理医師や同門の後輩医師への打診、医師会などのネットワークを通じて後継者を探す方法です。継承の意思を明らかにすれば、以前から関係のある勤務医で独立を考えている医師が、自然な流れで継承につながるケースもあります。

ただしこの方法には注意も必要で、知人を介して候補者を探す過程で、医院を譲る意向が意図せず周囲に広がってしまうことがあります。医局や病院、医師会などを通じて情報が伝わり、職員や患者さんに知られてしまうと、思わぬ混乱を招くおそれがあります。また知人間の取引ではお金の話をしづらいという心理から、金額や条件の取り決めがあいまいになりやすく、後々トラブルになることもあります。信頼関係を大切にしながら、慎重に話し合いを進めることが大切で、円満な関係を保つためにも、双方が納得できる形を目指すことを意識し進めましょう

選択肢➂:第三者に引き継ぐ(第三者医院継承)

ご家族や知人に後継者が見つからない場合、「第三者の医師へ医院を引き継ぐ」という選択肢があります。この場合は継承開業を希望する医師が集まる専門の仲介会社を通じて、後継者候補を紹介してもらうケースが一般的です。弊社でも「地域医療を未来へつなぐ」という理念のもと、第三者医院継承(クリニックM&A)を通じて、後継者医師のご紹介からお引き継ぎまでをサポートしています。近年ではこの第三者医院継承を選ばれる院長先生も増えており、地域の患者さんに医療を絶やさず提供できる手段として注目されています。

譲り受ける側には主に2つの形があり、ひとつは勤務医として経験を積んだ医師が自ら開業するケースです。これは後継者本人が新たな院長となり、先生の医院をそのまま引き継いでスタートします。もうひとつは、すでに医療機関を運営している医療法人が分院として継承するケースです。親族や知人への引き継ぎが難しい場合でも、こういった第三者医院継承であれば、患者さんがこれまで頼りにしていた、院長先生の築き上げたクリニックと医療が地域に残り、スタッフの雇用も守られます。また院長先生ご自身にとっても、譲渡対価を老後の生活資金や新たな活動の準備資金に充てることができるなど、前向きな選択肢となります。第三者医院継承は、単に経営を引き継ぐだけでなく、先生の努力とこれまでの医療にかける想い、そして地域医療を未来へ残すための誠実な手段のひとつと言えるでしょう。

第三者医院継承のメリットとデメリットについては、以下資料もご参考ください。

売主様向け|医院継承のメリットとデメリット

親族・知人・第三者「どの選択肢を選ぶか」の考え方

ここまでをお読みいただき、クリニックを誰に引き継ぐかというテーマは、経営上の判断であると同時に「これまでの歩みをどう未来へつなぐか」という心の選択でもあると感じていただけたのではないでしょうか。「自分と家族にとって、どの形が本当に一番しっくりくるのか」を早い段階から考えはじめることが大切、と私たちは考えます。

お子様・ご親族のどなたかが医師である場合は、まず意思を確認し、前向きな意思があれば、計画的な準備につなげることができます。そして、もし今すぐの継承が難しい場合や結果的に継承しない判断に至ったとしても、「親の背中をどう感じているか」を共有することで、家族の関係性をより良い形で保つことができます。知人や後輩への引き継ぎでは、人間関係の信頼が土台になりますので、周囲に知られやすい分情報管理は慎重に行っていただき、行き違いで誤解を招かないよう話す範囲やタイミングを丁寧に見極めることが必要です。そして近年特に増えている第三者への継承は、これまで築いてこられた地域医療を次の世代に引き継ぐ形です。譲渡によって先生ご自身の人生設計にも新たな余裕が生まれ、医療への想いと経営のバトンをともに渡すことができます。

どの選択肢にも利点と難しさがありますが、「どれが正しいか」よりも「自分はどうありたいか」を軸に考え、先生ご自身の歩みにふさわしい納得できる形を見つけていただくことを、何より大切していただければと思います。

まとめ:どんな「医院継承」も、早めに考え始めることが何よりの準備

医院継承には、親族・知人・第三者といったさまざまな形がありますが、どの方法を選ぶにしても共通しているのは、時間を味方につけることの大切さです。いざという時が来てから慌てて判断するのではなく、情報を整理しながら家族や関係者と少しずつ話を重ねていく過程の中で、先生ご自身が納得できる方向が見えてくるかと存じます。

メディカルプラスは創業から10年を迎えようとしており、これまでクリニック特化で220件を超える医院継承をお手伝いしてきましたが、多くの先生方に伴走した経験から実感するのは、動き出しの早さが選択肢の広さと納得の深さに繋がる事が多い、ということです。豊富な事例の中には、後継者を探し始めてすぐ「この方だ」というご縁に至ったケースもございますが、「まだ早い」と感じる時期こそが、将来を見据えた準備を少しずつ始める好機です。実際に継承を経験された先生方の声や映像も、ぜひ今後のご判断の参考にしていただければ幸いです。

【特別座談会】クリニック「譲渡」経験者の声

第三者医院継承を知るショートムービー「つなぐ手の先に」公開中

継承後の医師の姿を追ったドキュメンタリー https://www.medicalplus.info/info/content-update/11555/ 譲渡を経験された先生のインタビュー一覧 https://www.medicalplus.info/voice/sell/

第三者医院継承に関する無料相談実施中

メディカルプラスでは、ご希望の方に随時、クリニックM&Aに関する無料相談を実施しております。弊社は2016年の創業以来「地域医療の継続と発展に貢献する」という理念のもと、譲りたい先生・引き継ぎたい先生のご縁を繋いでまいりました。クリニックM&Aを確実に成功させるためには、早めのスタートが鍵となります。メールやオンライン、またご来社でのご相談も無料となりますので、ぜひお気軽にこちらより【✉お問合せ】お問合せください。

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