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医院継承までどれくらいかかる?~医院継承の流れと期間~

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。本日はクリニックの継承、譲渡を考え始めたばかりの院長を対象に医院継承までの流れとスケジュールの概要についてお伝えいたします。近年開業医の高齢化と後継者問題を抱えるクリニックの増加とともに増えつつある医院継承ですが、いざクリニックを「譲渡したい」と思ってもすぐに売れるものではありません。事前の準備期間等もありますので、将来的にクリニックの継承、譲渡をお考えの方は参考にしてください。

医院継承の流れとそれぞれにかかる期間

医院継承は以下➀~⑮の流れで行われます。
それぞれに必要な期間と合わせて記載いたしました。


➀. 事前相談及び秘密保持契約締結

「事前相談及び秘密保持契約締結」に必要な期間は【約1ヶ月】です。
事前相談では、医院継承の流れや医院継承成功のポイント等について実際の成約事例や失敗事例を交えてご案内いたします。医院継承に向けたより具体的な個別相談では、秘密保持契約を締結させていただいたうえで、医院継承の目的や譲渡理由、現在の収益、クリニックの特徴、スタッフ数などクリニックの概要についてお伺いします。
次に医院継承の希望時期や譲渡金額、従業員の雇用継続など希望条件があれば合わせてお伺いいたします。アドバイザーからは、クリニックの収益力や類似案件の成約事例などを踏まえた譲渡価格の相場や譲渡までにかかる期間の目安についてご説明いたします。その他院長から伺った希望条件でM&Aの実現可能性を下げてしまう条件等があれば、実現可能性を上げるための具体的なアドバイスをさせていただきます。個別相談でのやり取りを踏まえ、希望条件の優先順位の整理や医院継承へ向け準備を進めるかどうかご検討ください。
また事前相談では「医院を譲渡するまでにどれくらいの期間がかかるの?」というご質問をよく頂きますが、今までの当社の事例では平均1年から1年半程度とお答えしております。ただこちらの成約までにかかる期間はあくまで目安ですので、実際のエリアや診療科目、収益力など案件ごとに成約までに必要な想定期間は異なります。


②. 仲介契約の締結

「仲介契約の締結」に必要な期間は【約2週間】です。
事前相談の内容を踏まえ、ご家族も含め十分にご検討いただいたうえで、医院の譲渡、継承へ向けた準備を進めることになりましたら、当社と仲介契約を締結いただきます。仲介契約は医院の譲渡、継承へ向けたアドバイスや譲渡条件の整理、案件概要書の作成、継承候補者の探索・マッチング、譲渡契約書の作成など医院譲渡に関する業務を当社にご依頼いただく契約書です。


③. 概要書の作成

「概要書の作成」に必要な期間は資料準備に【約2週間】概要書作成に【約2週間】です。
概要書作成に必要な資料をご準備いただき、クリニックの経営状況から、譲渡価格の算定及び譲渡条件(後継者に求める条件、譲渡時期、従業員の雇用条件、引継ぎ期間等)を確認、整理してします。譲渡価格、譲渡条件が決まると次に案件概要書を作成します。案件概要書はノンネームといわれる匿名概要書とIM(Information Memorandum)と言われる詳細な案件概要書の2種類の概要書を作成します。ノンネームに記載される情報は、都道府県程度のエリア情報、診療科目、売上、譲渡価格、特徴などノンネームに記載されている情報だけではどこのクリニックか特定することができないように大まかな情報を記載した概要書です。IMはこの後お伝えするネームクリア後に継承候補者に開示する資料で、IMにはクリニック名、診療内容、売上、利益、従業員数、レセプト件数、不動産概要、特徴、強みと弱み、連携先など医院継承を検討するうえで必要になる詳細情報が記載されています。継承候補者はIMに記載されている情報をもとにトップ面談に進むかどうか検討します。


➃. 仲介契約の締結

「仲介契約の締結」に必要な期間は【約2週間】になります。
次はノンネーム資料を用いて継承開業を希望する医師に対してアプローチしていきます。この時点では、詳細条件は伏せられていますので、お互い相手が誰なのかはわからない状態です。ノンネームの情報をもとに継承候補者から医院継承について検討したいと商談の申込が入るとネームクリアに進みます。開業人気エリアの案件や収益性の高い継承案件の場合、一つの継承案件に5名以上の継承候補者から商談申込が入ることも珍しくありません。また診療科目によってもマッチングの難易度は異なります。


➄. ネームクリアの確認

「ネームクリアの確認」に必要な期間は【約1週間】です。
継承候補者から商談申込が入りましたら、売主様に継承候補者のプロフィールを伝えネームクリアの確認を行います。ネームクリアとは売主様より継承候補者への情報開示の承諾をいただいた後、継承候補者へクリニックの名称を開示することいいます。継承候補者の臨床経験や年齢、開業時期、継承後の方針、個人医師あるいは医療法人等(後継者は個人医師限定等)の理由によりネームクリアNGとなるケースもありえます。また既に他候補者と基本合意契約を締結し、優先交渉期間に入っているためネームクリアNGというケースもあります。


➅. 秘密保持契約締結(NDA)とネームクリア

「秘密保持契約締結(NDA)とネームクリア」に必要な期間は【約1週間】です。
売主様よりネームクリアの確認が取れましたら、継承候補者と秘密保持契約を締結したうえで情報開示を行います。売主側にとって継承候補者にクリニック名を明かすということはとても重要なプロセスであり、万が一情報が漏洩してしまうと従業員の離職や患者の減少という経営の根幹を揺るがす影響を及ぼしかねません。当社は医院継承の進行プロセスのなかで秘密保持は最重要事項ととらえ、秘密保持を徹底しております。継承候補者へ情報開示を行い、案件概要書に記載された情報をもとに継承開業へ向けトップ面談に進むか否か検討していただきます。


⑦. トップ面談と現地見学

「トップ面談と現地見学」にかかる期間は【1日~】と見積もれます。
トップ面談は、売主様と継承候補者が初めて顔を合わせていただく場となります。トップ面談では、当社コンサルタントが進行役を務め、売主様より医院継承の背景や診療理念、診療方針などクリニックへの思いをお聞かせいただきます。継承候補者からは継承開業を検討している経緯や背景、開業後の診療理念など開業へ向けた思いをお伝えいただきます。また診療内容や従業員、連携先などクリニックの事業内容について質疑応答を行います。株式会社などの一般企業のM&Aでは、トップ面談は貸会議などで行い、現地見学は後日実施するケースが一般的ですが、クリニックのM&Aにおいては休診日に現地見学を兼ねてクリニックにて実施するケースが多いです。


⑧. 条件交渉

「条件交渉」に必要な期間は【約1ヶ月】といえます。
譲渡価格や譲渡時期、継承後の従業員の雇用など医院継承へ向けた大まかな条件について交渉、調整します。医院継承後も売主様が一定期間継続勤務することや、従業員の処遇が今までよりも下回らないことなど継承へ向けたマストな条件がある場合には、この時点で合意事項におり込んでおきます。条件交渉については、当社コンサルタントが仲介いたします。


⑨. 基本合意契約(MOU)締結

「基本合意契約(MOU)締結」に必要な期間としては【約2週間】になります。
大筋の条件の合意形成ができましたら、基本合意契約(MOU)を締結します。MOUは(Memorandum of Understanding)の頭文字をとった言葉で、買収金額や買収条件など記載された内容について法的拘束力はありませんが、独占交渉権や秘密保持義務等については例外的に法的拘束力を持たせることが一般的です。基本合意契約には、ストラクチャー、基本合意契約は、M&A成立に向けて大きく前進するフェーズになります。


⑩. デューデリジェンス(買収監査)の実施

「デューデリジェンス(買収監査)の実施」には【約2週間~1ヶ月】が目安です。
基本合意契約締結後は、デューデリジェンスの実施に移ります。クリニックのM&Aで実施するデューデリジェンスには、財務デューデリジェンス、法務デューデリジェンス、ビジネスデューデリジェンスなどがあります。デューデリジェンスは、会計士や税理士、弁護士などしかるべき専門家に依頼していただくことをお勧めします。今まで継承候補者は売主側から開示された情報をもとに買収についての検討を進めてきました。デューデリジェンスにより、今まで把握していた内容に齟齬が無いか確認します。もしデューデリジェンスにより簿外債務や税務的なリスクなどが見つかった場合は、譲渡価格を減額するなど調整を行います。

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⑪. 最終契約書の締結

「最終契約書の締結」にかかる期間は【約1週間】です。
デューデリジェンスの結果をふまえ、全ての条件交渉・調整が整いましたら、最終契約書(DA)を締結します。DAとは(Definitive Agreement)の頭文字をとった言葉で最終契約の意味を持ちます。最終契約は基本合意契約とは異なり、契約書の内容の実行義務が法的に課されます。最終契約の中には、譲渡対象資産の特定、譲渡価格、譲渡スキーム、譲渡対価の支払い方法などの取引の基本的な条件に加え、表明保証、競合避止義務、クロージング実行の前提条件、補償条項、解除条件、債務不履行にかかる損害賠償などが規定されます。


⑫. 従業員への告知

「従業員への告知」に必要な期間は【約1週間~2ヶ月】です。
最終契約締結に至ると次は従業員への告知を行います。従業員へ告知を行う際は、まず売主様から従業員へ医院継承の概要をお伝えいただいたうえで、後日後継医師と従業員の顔合わせを行います。顔合わせの場では、後継医師から継承後の診療方針及び経営方針、職員の処遇などについて説明していただきます。従業員にとって一番気になるのはやはり継承後の自分たちの処遇についてです。給料は維持されるのか?診療時間や休診日はどうなるのか?診療内容は変わるのか?といった点を丁寧に伝えます。なかには院長交代を機に退職する従業員も出てきますので、人員が不足してしまう場合には、クロージングに向けて募集を行います。


⑬. 診療引継ぎ(クロージング前)

「クロージング前の診療引継ぎ」に必要な期間は【約1ヶ月~2ヶ月】になります。
院長交代へ向け、徐々に診療の引継ぎを始めていきます。最初は後継医師が週1回程度クリニックへ訪問し、診療を見学し流れを把握するとともに診療サマリーの引継ぎを行っていきます。徐々に慣れてきたら売主様と相談しながら非常勤医として診療に入るケースもあります。クロージング前の引継ぎ期間は患者さんに顔を覚えてもらったり、従業員との信頼関係を築いたりするうえでとても重要です。クロージング前の引継ぎがきちんと出来ていないまま、クロージングを迎えると院長交代後にバタバタしてしまい患者さんからのクレームにも繋がります。


⑭. クロージング

最終契約の規定事項が履行されたのち、譲渡対価の授受が行われてクロージングとなります。これをもって医院継承が完了したことになります医院継承が完了したら、個人開設のクリニックでは保健所と厚生局へ開設管理者の廃止、新規の申請と合わせて厚生局へ保険診療の遡及手続きを行います。医療法人開設の場合は、都道府県、保健所、厚生局へ理事長及び管理医師の変更届を提出します。


⑮. 診療引継ぎ(クロージング後)

「クロージング後の診療引継ぎ」に必要な期間は【約1ヶ月~2ヶ月】になります。
必要に応じてクロージング後、売主様が週1回~2回程度非常勤医として診療の引継ぎを行います。売主様のクロージング後の継続勤務期間は、全くないケースもあれば1年、2年に渡り継続することもあり、売主様と後継院長が相談しながら決めていきますが、一般的にはクロージングを挟み前後2か月~3ヶ月程度の引継ぎ期間を設けることが多いようです。

まとめ

これまで医院継承の流れと大まかなスケジュールについてお伝えしてきました。思いのほかやることが多く驚かれた方も多いのではないでしょうか?上記のスケジュール沿って進行した場合、事前相談から引継ぎ完了までざっくりと1年~1年半程度を要します。なかにはマッチングにもっと時間がかかるケースも少なくありません。クリニックM&Aをお考えの場合には、早めに行動されることをおすすめいたします。
以下ページでは、医院継承の流れとスケジュールに沿った当社のサービスの流れをご覧いただけます。

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