ホーム » コラム » 医療継承コラム » 医療法人とMS法人との商取引において注意すべきこと

医療法人とMS法人との商取引において注意すべきこと

  • 医療継承コラム

医療法人の役員とMS法人の役職員の兼務について
医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日は「医療法人とMS法人の商取引において注意すべきこと」というテーマについてお伝えいたします。

「MS法人」とは?

皆さん一度は「MS法人」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、そもそも「MS法人」とはどんな法人なのでしょうか?MS法人とはいわゆるメディカルサービス法人の略称で、業務が限定されている医療法人の経営の効率化を支えるため、 医療法人では行うことができない営利事業を行うことを目的に設立された会社です。MS法人といっても法的な類型は一般の株式会社や有限会社と同じです。
MS法人でよく行われている事業としては医薬品や医療機器の共同購入、医療機器のリース・レンタル、不動産の賃貸及び管理、医療事務などがあります。病院を経営する医療法人では病院内の売店の運営管理や患者用給食などをMS法人で行ったりしています。

当社に事業継承のご相談をいただく医療法人の中にも、医療法人とは別にMS法人を設立し、理事長の配偶者あるいは近親者がMS法人を経営しているというケースは多々あります。

医療法人とMS法人の取引には一定のルールが定められている

医療法人は非営利性が求められるため、こうしたMS法人の運営実態を考慮して、平成24年3月に厚生労働省から「医療法人の役員と営利法人の役職員の兼務について」という通知が発布されました。

この通知において「開設者である個人及び当該医療機関の管理者については、原則と して当該医療機関の開設・経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと。」という規定が設けられました。(ただし、取引額が少額で医療機関の非営利性に影響を与えることがない取引であるときは、例外として取り扱うことができます。)ここで注意が必要な点は、営利法人の役職員となっていますので、営利法人の社長や取締役だけでなく、社員であっても規定に抵触します。

なぜこのような規定が設けられたかというと、医療法人とMS法人との取引について市場価格等から見て妥当な価格を超えた取引が行われていた場合には、 医療法第54条に定める剰余金の配当の禁止に抵触するとみなされるためです。

※参照 厚生労働省通知「医政総発0330第4号」

この通知により医療法人とMS法人間の取引には一定の規定が設けられました。しかし、医療法人と密接な関係を有するMS法人にはどのようなものがあり、どのような取引を行っているか?など取引実態が明確ではなかったため、MS法人との関係を透明化するために、一定の条件に該当する医療法人とMS法人との商取引は所轄官庁へ報告することが義務づけられました。

この報告義務は平成28年4月に厚生労働省より発布された「医療法人の計算に関する事項について」という通知において規定されています。この通知では、大まかにいうと医療法人の役員またはその近親者(配偶者または二親等以内の親族)及びそれらが代表者である法人と、事業収益(売上)または事業費用(経費)の額が1000万円以上であり、かつ当該医療法人の当該会計年度における事業収益または事業費用の総額の10%以上を占める取引に関しては、当該医療法人との関係事業者との関係や取引内容、取引金額、あるいは取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高などを当該会計年度終了後3か月以内に所管の都道府県に届け出ることと規定されています。(その他にも細かく規定が設けられておりますので詳細は以下参照よりご覧ください)

※参照 厚生労働省通知「医政発0420第7号」4ページ5行目より

MS法人と取引を行う場合は所管の都道府県へ事前確認を

これからMS法人を設立して医療法人の関連事業を行うことを考えられている方は、上記の報告義務に該当しない少額取引であったとしても、念のため所管の都道府県へ事前に確認されたほうが良いでしょう。

定期事業報告や監査等で医療法人とMS法人との間で前述の規定に抵触する取引が見つかった場合は、是正指導の対象となります。

当社では無料相談を実施しております。医院継承(承継)、クリニック売却買収、医療法人M&Aをお考えの方はこちらより【✉お問合せ】お気軽にお問い合わせください。


人気記事


会員登録 ご登録いただくと、最新の案件情報をいち早くお届けいたします。