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クリニック開業物件はテナント?不動産購入? 各メリット・デメリットを解説!

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。今回のコラムでは、クリニックの開業形態についてお伝えいたします。テナントで開業するか、不動産を購入して開業をするか、迷われる方は多いと思います。本記事がクリニックM&Aを検討されている方にお役に立てましたら幸いです。

開業形態には様々な形態がある

まずはじめに、一般的に考えられる開業形態の種類について触れていきましょう。大きく分けて戸建てケースとテナントケースがあり、またその中でも様々なケースがありますが、主には下記のように分けられます。


【戸建ての場合】
①.所有不動産もしくは購入不動産での開業
②.借地・借家での開業
【テナント開業】
①.単独テナントでの開業
②.医療モールでの開業


ここからは上記を「戸建て開業」「単独テナント開業」「テナント医療モール開業」の3パターンとして捉え、メリットデメリットと併せてご説明して参ります。

戸建て開業について

戸建て開業となると、所有不動産もしくは購入不動産での開業をイメージされる方も、多いのではないでしょうか。特徴としては、まず外観デザインや間取りなどを一から自由に設計することが出来る点が挙げられます。設計や建設に日数を要すため開業までの準備期間は比較的長期間になりますが、院長先生の理想通りもしくは理想にとても近い外観や内装での開業となりますため、開業時の満足感はより高いものになることでしょう。クリニックの成長や方針転換の際の改修や改築についても自由に行うことが出来ます。看板等の設置で視認性や認知度を高めることも可能ですし、土地の広さによっては駐輪・駐車スペースの確保により患者さんの通院環境を整えることも可能です。

このように院長先生自身の理想を優先させていく一方で、初期投資の負担は大きくなります。開業のための準備資金調達については自己資金や金融機関からの融資などありますが、準備資金の大半を建物等の設備投資に割いてしまうと運転資金が逼迫してしまいますので、ある程度の妥協は必要かもしれません。また固定資産税や都市計画税などの税金のほか、年数を追うごとに維持管理や修繕にも費用が発生してきます。他にも、簡単に移転・撤退の判断がしにくい等、外観内装において自由度が非常に高い反面、責任を負う部分も多くなりますので、予め理解が必要です。

所有不動産以外での戸建て開業のケース

戸建て開業のケースとしては、所有不動産もしくは購入不動産での開業のほかに、借地・借家での戸建て開業というケースもあります。具体的には「医療ビレッジ開業」「医療ドミナント開業」がこのケースにあたります。「医療ビレッジ開業」とは、戸建てクリニックが一か所の土地に集まって開業するケースのことであり、「医療ドミナント開業」とは既に開業しているクリニックの近隣に異なる診療科のクリニックが複数開院し、結果として一帯が医療エリアになった場所での開業ケースのことです。

これらはともに外観にある程度制限はあるものの、戸建てであることから内装についての自由度は比較的高いことが特徴です。ただし、駐輪・駐車スペースについては、医療ビレッジは同じ敷地内のためほかクリニックと共用で広い駐車場を確保することができますが、医療ドミナントは別敷地となりますので基本的にはクリニックごとの駐輪・駐車スペースの確保が必要です。また、地域住民から医療密集地として捉えられることによって認知度が高まりますし、近隣のクリニック間での連携も可能です。一方で、近隣にクリニックが多数開業しているからこその人間関係に苦労する可能性があるため、事前にどんなクリニックが入っているのか等のリサーチが必要かもしれません。

テナントの単独開業とは

通常のビルテナントに入居して開業する形態のことで、いわゆる「ビル診」のことです。比較的多数の候補の中から院長先生の理想に近い開業物件の選択が可能なため、周辺人口や駅からのアクセスなども考慮しやすくなります。
また、既存の建物に入居するため開業の準備期間も比較的短く、初期投資を抑えることも可能です。建物の共有部分に関する維持管理費用も通常、オーナーが負担するため、維持管理コストも抑えられます。一方で、既存ビルの設計や設備ありきでの内装設計になるため、内装の自由度は低くなり、医療機器の搬入や設置、給排水・電気容量の確保など、医療施設として不都合な点がないかチェックが必要になります。将来的に拡張を考えている場合はその点も考慮することをおすすめいたします。
他にも、同一ビルの他テナントが医療に似つかわしくない場合や、視認性を高めるための看板の掲示についても自由度が低い場合等がありますので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

テナント医療モールとは

「医療モール」とは、1つの建物に様々な診療科目のクリニックが集まっている形態のことを指します。地域住民から見ると、ついで利用が可能なことから通いやすく比較的安心感が高まりやすいといった特徴があります。また、テナントであるメリットに加え、モール内のクリニック同士が連携し、高品質な医療を提供できる点や、広告宣伝費用を抑えられる点も特徴といえるでしょう。
一方で、様々な診療科のクリニックが混在していることで、クリニック内でのトラブルの可能性や、診療科目によっては競合となり得ること、医薬品会社指定などモール内独自ルールによる制限など、外装内装以外の部分でところどころで自由度が低いケースがあります。そのため事前の確認が必要です。

テナント医療モールでも様々なパターンがある

前述で医療モールのメリットとデメリットをご説明いたしましたが、一言で医療モールと言ってもその形態は主に4パターンあります。順に見ていきましょう。

医療モールのパターン:1「医療ビル」
まず1つ目は、都心部で特に多く見られる「医療ビル」です。
読んで字のごとく、1棟のビル内に複数のクリニックが入っている形態を指します。医療ビルは基本的に医療関連のテナントが入ることを前提に設計されているため、全体的にバリアフリー設計になっていることが多く、医師と患者さんどちらも目線から見ても利用しやすいというメリットがあります。車いすや高齢の患者さんには、ありがたい構造だと言えるでしょう。

医療モールのパターン:2「商業施設併設型」
次に2つ目は、都心部・地方ともに多く見られる「商業施設併設型」です。食料品、衣料品などのお店が入っている商業施設内にある形態のことです。ついで利用がとてもしやすいことから利便性が高く、集客力も高いことが特徴です。通院と買い物が1か所で済むことから、子供連れの患者さんにとっても利用しやすい環境になっています。

医療モールのパターン:3「オフィス併設型」
3つ目は「オフィス併設型」で、複数の企業が入っているオフィスビル内にある形態です。オフィス内で働く方を主なターゲットにしており、遅い時間まで診療を行っているクリニックも見受けられます。また、立地によってはオフィスビル以外からの集客ももちろん期待できるため、仕事が終わってからの利用を考えている患者さんの獲得に期待ができます。

医療モールのパターン:4「レジデンス併設型」
4つ目は「レジデンス併設型」という、マンション内に併設されている形態です。マンションの1~2階部分にクリニックがある建物をたまに見かけることがあるかと思いますが、それらはレジデンス併設型にあたります。当該マンション住人及び周辺住民にとってのかかりつけ医になりやすいため、安定した集客を望めることが特徴として考えられます。開業を検討しているエリアやクリニックの運営方針によって医療モールの中でも選択肢は異なると思いますので、その違いを理解しておくことをおすすめいたします。

各開業形態とのメリットデメリットを理解した上での選択を

ここまで開業形態ごとに特徴をご説明して参りましたが、メリットデメリットをまとめると以下のようになります。

戸建て開業 単独テナント開業 テナント医療モール開業
メリット 外観や間取りなどの自由度が高い
将来的には自分の資産になる
改修や改築が自由にできる
看板設置や駐車スペースの確保が自由にできる
初期投資を抑えられる
外壁や共用部などの維持管理に手間や費用がかからない
移転や撤退が比較的安易に可能
初期投資を抑えられる
外壁や共用部など維持管理に手間がかからない
移転や撤退が比較的安易に可能
他科との連携が取りやすい
利便性が高い
宣伝広告費が抑えられる
デメリット 初期投資の負担が大きい
土地建物の維持管理や修繕に手間や費用がかかる
固定資産税、都市計画税などの税金がかかる
簡単に移転、撤退することができない
他区画のテナントを選ぶことはできない
専有部以外は自由に改修できない
共益費が掛かる
賃料を払い続けても自分の資産にはならない
専有部以外は自由に改修できない
共益費が掛かる
賃料を払い続けても自分の資産にはならない
クリニック間のトラブルの可能性がある
モール内ルールによる制限がある

もう既にお分かりの通り、各開業形態にはメリットデメリットが様々ありますので、それぞれの特性をご理解いただき、診療のコンセプトや診療スタイル、予算面など、ご自身の理想と照らし合わせた上での選択が非常に重要になります。

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