ホーム » コラム » 医療継承コラム » 不動産購入とテナント開業はどっちがいいのか?

不動産購入とテナント開業はどっちがいいのか?

  • 医療継承コラム

クリニック戸建開業とテナント開業コスト比較

いつもお世話になっております。医院継承(承継)、クリニックM&A仲介支援のメディカルプラスです。

土地建物付き継承案件の問合せが増加

最近、土地建物付きの継承案件を探しているというお問合せが増えています。先日お会いした30代のドクターは、首都圏で開業を考えており、希望条件は土地建物付きのクリニックの継承が第一希望とのことでした。面談で色々話を伺っていると、そのドクターは20代後半から不動産を購入しはじめ、現在は都心に複数のビルを所有しており、30代前半にして4億円以上もの資産を保有しているとのことでした。不動産経営をしているため、税金、減価償却、キャッシュフローなど熟知しており、開業した後のクリニック経営に大きく役立つことは間違いないでしょう。

不動産購入を始めたきっかけは、社会保障費増加に伴う診療報酬削減など将来への不安だったそうです。保険診療を行う一般的なクリニックの収入源である診療報酬は国民の保険料や国債などが主な財源となっております。【参考】厚生労働省 平成28年診療報酬改定の基本方針

2年ごとに行われる診療報酬改定は厚生労働省の主導のもとで行なわれます。今後日本では人口が減り、財源が減る一方で、超高齢化に伴い社会保障費は増えづつけていくことは明白です。そうした社会背景のなか、これから開業する30代、40代のドクターが自身の将来設計を国任せにするのではなく、自分で考え、学び、行動を起こしていく姿勢はとても大切だと思います。(不動産投資は一例であり不動産投資を推奨する意図はありません。)

一方、既に開業されているドクターからM&Aで分院を出したいという問合せでも、やはり土地建物付きの案件を希望されることが多いように感じます。既に開業されているドクターは、資金にも余裕があり、現在払っているテナント家賃がもったいないと感じるようです。先日は今までテナントで開業してきたが、息子が継ぐことになったので土地付きのクリニックを買いたいという問い合わせがありました。

それでは不動産を購入する場合とテナントで開業する場合どちらが良いのでしょうか?それぞれのメリット、デメリットを考えてみたいと思います。

不動産購入とテナント開業のメリットとデメリット

先ずテナントのメリット、デメリットを見てみましよう。

◆テナント賃貸

☆メリット

・投資額が少なく済む(借入金が少ない)

・外壁や共用部など維持管理は不動産管理会社が行うため手間がかからない。

・移転や撤退が比較的安易にできる。

☆デメリット

・他区画のテナントを選ぶことはできない(隣や他階にどんなテナントが入るかわからない)

・専有部以外(場合により専有部も)は自由に改修できない。

・共益費が掛かる。

・賃料を払い続けても自分の資産にはならない。

続いて土地建物を購入した場合のメリット、デメリットを見てみましょう。

◆土地建物購入

☆メリット

・外観デザインや間取りなど一から自由に設計することが出来る。

・将来的には自分の資産になる。

・改修や改築が自由にできる。

☆デメリット

・土地建物の維持管理を行う手間がかかる。

・建物の維持管理費用、修繕費用が掛かる。

・固定資産税、都市計画税がかかる。

・簡単に移転、撤退することができない。

いかがでしょう?それぞれメリット、デメリットがお分かりいただけましたでしょうか?

続いてコストの比較をしてみたいと思います。

不動産購入とテナント開業のコストを比較

コスト比較シュミレーションの前提条件は以下の通りとします。

◆テナント開業

・賃貸面積50坪

・賃料50万円(10,000円/坪) ※10年ごとに3%ずつ減額

・共益費5万円(1,000円/坪)

・更新料 賃料1か月分(5年更新)

◆土地建物購入

・購入価格1億円(土地6,000万円、建物4000万円)

・銀行借入1億円(20年返済、金利1.5%)

・修繕費用 10年ごとに300万円計上

・固定資産税

土地 6,000万円×1.7%(都市計画税含む)

建物 2,400万円×1.7%(評価額は新築価格60%、以後経年により評価額減少)

※ここではランニングコストの比較に焦点を当てるため、不動産仲介料や礼金などの初期費用は勘案しておりません。また減価償却によるキャッシュフロー差は考慮しておりません。

以上の前提条件に基づくコストシュミ―レーションの結果は以下の通りとなりました。

医院開業の不動産購入とテナント開業のコスト比較

開業から20年目までは不動産購入よりテナント開業の方が約1,500万円コストを抑えることが出来るということが分かりました。しかし20年目以降は一転して不動産を購入した方が総額コストが安くなります。25年目では約1,000万円、30年目では約3,500万円、総額コストが安くなっています。これは20年後に借入金の返済が終わり、完済後は賃料支払がないためです。仮に25年後にクリニックを閉院する場合、不動産を所有していると総額コストを約1000万円抑えることができ、6000万円の資産価値がある土地が残ることになります。もちろん不動産購入にもデメリットはあります。例えば開業から10年後、病気で診療を継続できなくなった、あるいは万が一不慮の事故で亡くなってしまった場合はどうでしょう?テナントであれば賃貸借契約を解約し、内装の原状回復をすることですぐに撤退可能ですが、不動産所有の場合はなかなかそうはいきません。この時点でまだ約5,400万円の残債があり、土地を処分して返済することは可能ですが既存建物の取り壊しなど行う必要があり簡単ではありません。こうした不測の事態を担保するためには、保険を使ったリスクヘッジを行います。(ここでは本題から外れるため保険の話は割愛します。)

医院開業の不動産購入とテナント開業のコスト比較折れ線グラフ

土地購入とテナント開業は時間軸をどこで見るかによって判断が変わってきます。ドクターの現在の年齢、いくつまで診療を行うか?子供にクリニックを継承するのか?総合的に勘案して決める必要があると思います。また開業地が都心部の場合、土地購入という選択肢は現実的ではなくなってきます。都心部で土地を購入するとなると一坪当たり300万~500万は当たり前といった相場になってきます。すると土地だけで数億円の資金が必要になりますので、親から相続した土地でもない限り、都心部で開業する場合はテナント賃貸が有力な選択肢になると思います。

当社では無料相談を実施しております。医院承継、クリニック売却買収、新規開業をお考えの方はこちらから【✉お問合せ】お気軽にお問合せ下さい。


人気記事


会員登録 ご登録いただくと、最新の案件情報をいち早くお届けいたします。