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診療科目別にみる開業医の平均年収について

  • 医療継承コラム

こんにちは。メディカルプラスです。今回は「診療科目別にみる開業医の平均年収」についてのコラムを展開してまいります。医師としての道を選んだ方々は、医療現場での経験を積みながら、自身の理想とする医療提供や地域医療の向上、そして社会への貢献を志向されているでしょう。「将来的にはクリニックを開業したい」、もしくは「自分が開業するとしたらどういった形がよいか」と、夢を抱いたことがあるかもしれません。

自身でクリニックを開業することは、働き方や収入において、勤務医とは大きく異なる要素が含まれます。少子高齢化や診療報酬改定などの環境変化による影響や診療科目によって違いもありますが、勤務医から開業医として働き方が変わった際、年収がどれだけ違ってくるのかを見ていきたいと思います。

勤務医と開業医の平均年収

厚生労働省が2021年に発表した「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)」の報告によると、病院勤務医の平均年収は1,468万円、開業医全体の平均年収は2,699万円で、開業医は病院勤務医と比較し、約1.8倍以上の年収を得ている形です。この厚生労働省の報告だけを見れば、開業医は高収入を得られるとイメージされるのではないでしょうか。しかしながら年収が多い一方で、開業医はクリニックの経営全体の責任を担うことになります。人事労務、資金繰り、地域とのかかわり・医師会活動・地域の患者さんとの関係構築に責任が生じます。

開業医の年収についてはこちらのコラムをご参照ください。

開業医の年収事情 ~ピーク到達のタイミングとは?~

診療科目別の損益差額

まず厚生労働省の令和3年実施「第23回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」から個人診療所における診療科目別の損益差額をまとめてみました。損益差額は、開設者の報酬となる部分以外にクリニックの設備投資などの必要運営資金に充てられることが考えられるため、下記記載の損益差額全額が開設者個人の年収ではありませんが、参考としてご紹介いたします。

個人診療所における診療科目別の損益差額

【参照】厚生労働省
第23回 医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(P153~P155)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/jittaityousa/dl/23_houkoku_iryoukikan.pdf

診療科目別にみる開業医の平均年収

次に、診療科目別上記と同資料「厚生労働省:第23回 医療経済実態調査(医療機関等調査)報告」(P153~P155)から、診療科目別に開業医の平均年収をご紹介します。

「内科」の平均年収

内科を専門分野別に見ていくと多岐にわたりますが、内科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,051万円となっております。最も開設数が多い診療科目で地域による幅もあり、全体平均の年収より低めの数値となっております。

「小児科」の平均年収

小児科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,192万円で、全体平均の年収より低めとなっています。内科医の年収と比較すると若干高い数値ですが、少子高齢化の影響による患者数の減少傾向がみられます。

「精神科」の平均年収

精神科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、5,421万円となっております。他の診療科目と比べると、医療機器などの設備導入による保守管理費などの経費をあまり必要とせず、利益率が高めの傾向にあります。またメンタルヘルスに対する需要の高まりもあり、全体平均の年収よりも約2.17倍の数値です。

「外科」の平均年収

外科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、1,655万円となっております。全体平均年収の約0.66倍といった数値です。

「整形外科」の平均年収

整形外科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,487万円となっており、全体平均の年収と大きく変わらない数値です。少子高齢化で高齢者人口が増えることにより、運動器リハビリテーションや物理療法の需要が高まりを見せており、今後の整形外科のニーズ増が予想されます。

「産婦人科」の平均年収

産婦人科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,299万円で、全体平均よりやや低い数値となっております。不妊治療領域に特化した専門的なニーズが見込まれる分野です。

「眼科」の平均年収

クリニックの立地や設備、手術の有無などによっても年収は異なりますが、眼科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、3,053万円となっており、全体平均の年収よりも約1.22倍の数値です。近年ではスマートフォンやゲーム機器・パソコンなどの普及により目を酷使する方が多いことに加え、高齢化社会にともない白内障をはじめとする手術件数増など、視力や目に関する来院患者が増えています。また糖尿病に罹患することによる弱視など、眼科医ニーズは上昇傾向といえるでしょう。

「耳鼻咽喉科」の平均年収

耳鼻咽喉科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,882万円で、全体平均の年収よりも約1.15倍の数値となっております。年々増加している花粉症やハウスダストによるアレルギー患者、また少子高齢化に伴い難聴に悩まされる高齢患者などの増加により、昨今の耳鼻咽喉科ニーズは高まりを見せています。

「皮膚科」の平均年収

自由診療の有無などによっても年収は異なりますが、皮膚科をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は3,307万円で、全体平均の年収よりも約1.32倍の数値となっております。特に美容皮膚科については、医療のあり方は疾患の治療ばかりでなく、心の健康をも生み出す手段という“広義の健康”へ進化していることから、社会的価値は高まりを見せています。ホームページやSNSを駆使してニーズの高い美容皮膚科患者の集患を行うクリニックが多数展開されています。

その他診療科の平均年収

前述いたしました診療科目以外の診療科目をメイン科目として運営をしているクリニックの開業医の平均年収は、2,710万円で、全体平均の年収よりも約1.08倍の数値となっております。

低コストの開業に「第三者医院継承」のご検討を

ここまで診療科目別に開業医の平均年収を見てきました。開業医は勤務医と比較すると平均年収が高い一方、診療と並行してクリニックの経営やスタッフの人事労務管理といった業務にも時間や労力を割く必要があります。その点が勤務医と大きく異なると同時に、弊社でお話をさせていただく開業されている先生から、「大きなやりがい」といった声が寄せられます。

新規開業を検討されている方に於かれましては、開業して安定した収益を確保するためには開業エリアの周辺環境や人口動態・特性、近隣競合医院の有無などの調査を行い、集患対策をする必要があります。医療業界でも高齢化が著しく、後継者不在で廃院を考えている院長先生が多くいる中、事業継承という形での開業はいかがでしょうか。長年地域に根差したクリニックを継承することは、ご自身のやりたい医療を提供することができ、投資額を抑えることもでき、かつ安定した収益を確保することが可能となります。選択肢として事業継承をご検討されることをおすすめいたします。

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私たちメディカルプラスは、地域医療の継続と発展に貢献したいという想いを理念に、クリニックに特化した継承支援を行っている仲介会社です。クリニックM&Aに関する多数の実績と豊富なノウハウがあり、「譲り受けたい方」・「譲り渡したい方」のお悩みに応えるフェーズを熟知しておりますので、安心してお任せください。譲り受けることをご検討中の先生は勿論、後継者不在で廃院を視野に入れている先生も、ぜひ一度弊社までご相談ください。
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