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開業医の手取り年収ピークは開業何年後か?

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医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日は開業医の手取り年収のピークについてお伝えいたします。年数の経過とともに年収が増えると考えている人も多いのですが、実際にはそうではありません。開業医の年収ピークは5~9年目と言われ、そこからは徐々に下がっていく傾向が見られます。その背景には、クリニック経営が抱える課題が見え隠れしています。この記事では、開業医の年収とクリニック経営が抱える課題の関係性にスポットを当てていきたいと思います。

開業医の平均年収は?

まず開業医の平均年収について触れておきます。平成30年の第22回医療実態調査では一般的な開業医の平均年収は2,807万円との調査データが出ています。一方勤務医の平均年収は1,491万円となっています。その差額は1,316万円で、開業医は勤務医と比較し約1.88倍の年収を得ていることになります。
開業医と勤務医それぞれの平均年収から所得税、住民税、社会保険料控除後の手取り額で見てみると、開業医の手取り金額が約1,675万円、勤務医の手取り金額が約1,015万円となり差額は660万円です。開業医は勤務医の約1.65倍の手取り所得を得ていることになります。

【参照】第22回 医療経済実態調査

なぜ開業5~9年目以降は、年収が下がっていくのか?

開業医の年収が5~9年目でピークを迎える理由は、大きく3つあります。

①院長自身の体力やモチベーションが低下し始めるため
②周囲に新しい医療機関ができ、患者が分散してしまうため
③医療費抑制政策が進行しているため

これら3つの原因については、「内的要因」と「外的要因」に分類できますが、この分類によってクリニック経営が抱える課題を、より俯瞰的に見ることが可能になります。

内的要因から見る開業医年収の減少

開業して間もない段階では、院長の年齢は若く、モチベーションも高いため、1日に50人以上診察することも難しくありません。働けば働くほど、年収が増えていく時期になります。しかし、開業時の医師の平均年齢は、約40歳と比較的高齢です。いつまでも開業当初の勢いを保ち続けられるかというと、どうしても難しいわけです。年数の経過により体力や気力の衰えが顕著になると、診療時間を減らしたり、休診日を増やしたりして対応せざるを得ません。開業資金等の借入金を返済し終える10年目あたり、つまり50歳を超える頃から、開業当初の勢いがなくなる方が多いようです。その結果、開業して10年ほど経過した時期から、徐々に年収が減少し始めるのではないかと考えられるのです。

外的要因から見る開業医年収の減少

続いて外的要因による年収減少について、2つの観点から説明いたします。
一つ目として、開業後10年ほどすると、周囲に競合のクリニックができることが多く、患者が分散してしまうことが挙げられます。競合が新規開業して間もない頃は、集患に苦労するはずですが、徐々に口コミも集まり、患者数も増え始めます。こうして競合が集患に成功した後から慌てて対策を打ったとしても、その効果は限定的で、一度減少した患者数をリカバリーすることは難しいといえるでしょう。
また二つ目として、診療報酬や医療費負担の改定といった、医療費抑制政策による患者数減少の影響も見過ごせません。医療費抑制政策によって、とくに高齢者のクリニックへの足が遠のいています。ボリュームゾーンといえる高齢者の医者離れは、クリニック経営にとって大変深刻な問題です。
患者数の減少は、クリニックの財務状況を悪化させます。一般の企業であれば業績悪化に対してリストラや経費削減を行いますが、医療機関の場合には、看護師や事務員を簡単に減らすことはできません。また、医療法人の場合には、不動産投資などによる医療行為以外の活動から収益を上げることも禁じられています。患者数の減少による収益悪化の影響は、院長が自らの給与をカットして対応することが多いようです。

クリニックM&Aによる解決

このように、クリニック経営は10年目を迎えるあたりから、徐々に難しさが増していき、開業医の年収も減少傾向に陥ることがお判りいただけると思います。それならば、クリニック経営が順調なうちに、クリニックM&Aによる譲渡をお考えになるのはどうでしょうか?クリニック経営が順調なうちに譲渡をすれば、多くの開業希望者の目に留まりやすく、商談に発展する可能性が高くなります。また、譲渡価格そのものも高額になる傾向があることも早めの譲渡をおススメする理由の一つです。クリニック経営の悪化が表面化した後では、譲渡価格は低くなりますし、商談そのものも少なくなる傾向があります。

【50代で医院譲渡、海外移住された窪田博文先生の成功事例インタビュー】

くぼた内科クリニック 窪田博文先生 医院継承インタビュー

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※本コラムは2020年6月22日に加筆修正いたしました。


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