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小児科クリニックの開業について ~資金、年収、成功のポイント~

  • 医療継承コラム

医院継承(承継)、クリニック売買、医療法人M&Aのメディカルプラスです。
本日は「小児科クリニックの開業」をテーマにお伝えいたします。ご自身のクリニックを開業したい思いがある一方で、今後さらに加速するとされている少子化を懸念し、思い悩んでいる小児科医の方も多いのではないでしょうか。本コラムでは、小児科クリニック開業時の必要資金や、想定される勤務医との年収差、継承開業という選択肢の重要性についてご説明してまいります。本コラムがクリニックM&Aを検討されている方のお役に立てましたら幸いです。

小児科クリニックを開業するために必要な金額

まず、小児科クリニックを新規開業するために必要な資金についてお話しします。

小児科クリニック新規開業の際の想定必要資金

医療機器・設備 1,000万円(+1,000~2,000万円)
不動産 2,000万円~5,000万円
その他 500万円
合計 3,500万円~7,500万円

医療機器・設備ですが、電子カルテやレジスター、診察用ベッド、吸引機、吸入器、心電計、自動血球計数CRP測定装置、オートクレーブがあれば開業は可能です。これにレントゲンやCTの購入を考える場合はプラスで費用が掛かるとお考え下さい。なお医療機器についてはリースという手段もあります。リースのメリットとデメリットをもとに、どちらがご自身の開業スタイルに合っているかをご検討の上、選択されることをおすすめいたします。リースのメリットとデメリットについては以下をご参考ください。

医療機器リースのメリット・デメリット

メリット デメリット
初期費用を抑えられる
事務管理への手間を省ける
新機種への乗り換えが簡単
資金調達よりも手続きが進みやすい
契約の種類によっては途中解約が困難
借り入れよりも高額
仕様変更できない場合が多い

不動産については、テナントで開業するか、不動産を購入の上で開業するかにより、大きく異なります。テナントで開業する場合の資金使途【テナント賃貸の初期費用+内装造作】不動産購入の場合の資金使途【土地購入費用+建物建築費用+内装造作費用】が一般的です。ただし都心部と地方部や、駅・繁華街からの距離によって金額は大きく異なりますのでご注意ください。

クリニック開業物件はテナント?不動産購入? 各メリット・デメリットを解説!

小児科開業医と勤務医の年収

エリアによって子供人口には差がありますので一概にはいえませんが、子供は大人と比較すると病院を受診する頻度が高い傾向にあります。そのため、大人がかかる診療科目よりも高収入になる可能性が高いことが考えられます。では開業医と勤務医では収入にどれほどの違いがあるのでしょうか。

まず、開業医全体の年収を見てみましょう。令和5年に実施された中央社会保険医療協議会の「第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告」によると、小児科をメイン科目として運営しているクリニックの平均年収は44,589千円で、全診療科目平均年収31,411千円より高めとなっています(ただし個人クリニックのみ、医療法人は含まず)。これは外来診療収益やその他の医業収益から、給与や医薬品費、設備賃借料などの経費を引いた損益差額となります。
推移を見ていきましょう。令和元年実施調査(コロナ前)での平均収入は約30,681千円令和3年実施調査(コロナ禍)での平均年収は21,921千円となっており、ほかの診療科目と比較して最も変動の多い結果となっています。これらデータは医療法人を含まない条件での平均値ですが、個人開業の小児科クリニックにとってコロナの影響がいかに大きいものであったか、お分かりいただけるのではないでしょうか。

一方で参考までに別データ、労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」から勤務医の平均年収を見てみましょう。少し前のデータになりますが大変充実していますのでご紹介いたします。このデータによると、小児科医個人の平均収入は1,220万円となっています。年収割合別に見ると以下の通りです。

小児科の開業_勤務医の平均年収:年収割合別

以上から、開業医は直近コロナの影響で平均年収に変動があったとはいえ、勤務医と比較すると平均年収は高く、勤務医では安定はしていますが収入アップに限界があるといえます。したがってより高い収入を望む場合は、自身の頑張りによって収入アップにつながりやすい「開業」のご選択がおすすめかもしれません。とはいえ近年の少子化進行の影響もあり、開業する立地を間違えてしまうと、想定していた収入が得られないことも有り得ます。社会全体的にみると小児科が不足していると言われていますが、エリアによっては乱立しているケースも考えられますので、ご注意ください。

メディカルプラスで支援した小児科継承成約事例

ここでは参考として、公的機関のデータではなく実際にメディカルプラスで仲介支援し継承された案件の売上や利益について、一部事例をご紹介いたします。


ケース① 千葉県×個人事業(テナント開業)
医業売上:約2億3,000万円
実質利益:約1億1,000万円
《案件の特徴》
最寄駅から徒歩3分、都心へのアクセスも30分とアクセスが良く、年少児の人口が多いエリアのため1日の平均来患数約90名前後と、盛業中のクリニック案件でした。
案件№:SM-1261(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)


ケース② 埼玉県×医療法人(テナント開業)
医業売上:約1億1,700万円
実質利益:約5,000万円
《案件の特徴》
診療圏内に小児科単科クリニック及び小児科専門医が少ないため、1日の平均来患数約80名前後と、盛業中クリニック案件でした。電子カルテや予約システムも導入済みのため、継承後のオンライン導入コストを抑えることもできました。
案件№:SM-1182(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)


ケース③ 埼玉県×個人事業(テナント開業)
医業売上:約8,000万円
実質利益:約3,200万円
《案件の特徴》
県内全域から来患があり、診療圏内に大規模マンションの開発中エリアのため、今後の人口増加が予測される中、競合医院が1件のみのため診療圏良好なクリニック案件でした。
案件№:SM-1265(会員登録されている方は詳細をご覧いただけます)


このように、一般的な開業医の年収と比較すると非常に高利益なクリニックが多いことが見受けられます。

小児科クリニック開業の成功の秘訣

続いて、小児科クリニックを成功させるための施策例をお話します。

立地を選ぶ際の周辺リサーチを念入りに行う

開業を検討されたことのある先生ならば、一度は診療圏調査等で近隣の競合クリニックについて調べられていることでしょう。子供の持病についてよく理解しているかかりつけ医を既に持っている場合は、余程のことが無い限りかかりつけ医をわざわざ変えようとしない家庭がほとんどです。そのため、近隣に競合となるクリニックがあればあるほど、集患に時間がかかる恐れがあります。一方で、近隣に競合クリニックが少ないとしても、そもそも子供を持つ世帯数が少ない地域の場合は、収益を見込むことが困難になる可能性が高くなります。そのため近隣の競合クリニックデータと同時に、子供を持つ世帯数のデータも併せて調査することは必須と言えるでしょう。

また、体調が悪い子供と一緒に徒歩で長距離を通院することは保護者にとってはとても負担です。そのため、自転車や自動車で通院できる環境を整えることが出来るかどうかも、開業後の集患に影響してきます。クリニックの近隣にコインパーキングや契約駐車場があるかどうか、クリニックの前に駐輪場を設置できるかどうかも確認しておきましょう。

小児科らしい内装にする

小児科らしい内装、というと可愛らしい壁紙やキッズスペースを想像される方がほとんどかもしれません。キッズスペースを設置する場合においてはコロナ禍以降、感染の機会を増やす恐れがあるとのことから、おもちゃや本は頻回に消毒する必要がありますので、注意が必要です。考えによっては、可愛い壁紙と季節に合わせた壁面飾りを施す等、子供が見て楽しめる仕掛けをし、キッズスペースにはおもちゃや絵本は置かないというのも1つの方法でしょう。
また、小児科は見た目だけでなく、設備面も重要です。ベビーカーでの来院が見込まれることから、玄関や診察室等の入り口は広くスペースを取り、診察室の扉は引き戸にする等で入室しやすくすることをおすすめします。待合室や通路もベビーカーが通ることを想定して、広く作ると良いでしょう。また、来院した子供が怪我をすることを防ぐため、受付や物置台等の凹凸造作はできる限り避けると良いかもしれません。

受付から診察、会計までの時間を可能な限り短縮化する

診療科目に関わらず、病院受診時の待ち時間が最も時間がかかり憂鬱に感じるという患者様は少なくないでしょう。成人であれば待って居られる多少の待ち時間でも、小児科の場合は待ち時間が長引くほど、子供への負担は増しますし、比較的元気な子供の場合は待ちきれずグズったり走り回ったりすることがあり、保護者への精神的・身体的負担も待ち時間の長さと比例して大きくなります。これを回避するために、考えられる施策をご紹介します。

① . オンライン予約・オンライン順番待ちシステムの導入
クリニック内での待ち時間を減らし、体調の悪い子供がギリギリまで自宅で寝ていることができるため、子供への身体的負担と保護者の精神的負担の軽減にも繋がります。

② . WEB問診表システムの導入
クリニックに来院後、子供の相手をしながら問診表を手書きすることは保護者にとっては負担が大きく、情報を簡略化して記載されてしまう恐れがあります。それにより医師やスタッフは知りたい情報・知るべき情報が拾えないことにもなりかねません。来院前に問診表を入力いただくことによって、保護者も書くべき情報を落ち着いて書くことが出来ますし、医師やスタッフも情報を収集できるため、双方にメリットが大きいと考えられます。

③ . 電子マネーや自動精算機の導入
診察後からお会計を終わらせるまでの時間を短縮することも非常に重要です。子供を抱っこしている場合はお会計にも一苦労ですし、お会計で受付が埋まってしまっていると次に来院した患者の受付処理も滞ってしまいます。そのため、スマホでも決済が可能な電子マネーへの対応や、自動精算機を導入することにより、受付・会計周りの回転効率の向上につながります。

成功するクリニック開業立地えらびのポイント

小児科が身近にあるという社会的意義

子供を持つ保護者から見れば、大きな病院の小児科も確かに無くてはならない存在です。しかしいざという時の「駆け込み寺」のような存在である小児科クリニックが身近にあることこそ、子育てをする上でとても重要な安心材料とも言えるでしょう。「近くに小児科があって良かった」というご家族の安心とお子様の笑顔を支えることは、小児科開業医の大きな社会貢献と言えるでしょう。

小児科は乳幼児から15歳前後までの患者を対象としますので、患者本人が幼いことから自身の症状について上手く説明できない場合や、治療に恐怖心を覚えて患者が泣く場合も考えられます。そのため患者本人だけではなく、その保護者と上手にコミュニケーションをとり、患者の不調原因を見極めて治療を行うことが重要です。
また薬剤の処方には、患者それぞれの体重や体質等に合わせて量や処方頻度を調整することも重要であり、錠剤か顆粒か等の薬剤の形状にも配慮しなければなりません。診療のほかにも、予防接種や健康診断、育児相談等、子供の健やかな成長をサポートする機会が多いことも小児科の特徴としてあげられます。このことから、小児科医には患者の症状を的確に把握するための幅広い知識と、患者本人やその保護者から症状をヒアリングするためのコミュニケーション能力が欠かせません。その意味でも、地域に根差した相談しやすい小児科という存在意義は、大変大きなものになります。

小児科標榜クリニック数の現状

厚生労働省提供データ「令和4(2022)年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によると、小児科を標榜する医療施設数は2,485件となっています。同様の統計で5年前の平成29(2017)年のデータでは2,592件、さらに10年をさかのぼり平成24(2012)年では2,702件で、年々小児科が減少していることが見て取れます。
これは近年の少子化進行を理由に、採算がとれない医療機関において小児科が縮小・閉鎖されていることがおもな要因と言えるでしょう。またそれだけでなく、長年地域の小児科を支えてきたクリニックが院長の高齢化や後継者不在等を理由に閉院を余儀なくされていることも要因のひとつです。

小児科医院の開業は、継承開業をご検討ください

これからの時代、更に少子化が進行していくことは事実です。これから小児科クリニックの開業をご検討される際には、とてもハードルが高く感じる方も多いことでしょう。しかし、いつの時代も子供やその保護者が小児科クリニックを必要としていることも事実です。開業をご検討の際にはまず、小児人口に対して小児科クリニックの数が少ない地域に着目してみてください。そしてその地域に根差している小児科クリニックを継承開業するという選択肢も併せて是非ご検討ください。長年その地域に住む子供たちの健康や成長を見守り、保護者のサポートしてきたクリニックが、院長の高齢化や体調不良・後継者不在を理由に閉院を余儀なくされてしまうことは、その地域にとってとても大きな損失と言えます。

継承というと、クリニック内装や医療機器の老朽化をご懸念される方も多いと思います。しかし新規開業と比較すれば既に患者さんが通院しているクリニックを継承することになりますので、開業当初から黒字化をのぞめ、内装改修費用や医療機器の入替費用の投資回収ができることでしょう。また、自身の理想のクリニックの形が必ずしもその地域の患者に受け入れられるとも限りません。既にその地で地域貢献を重ねてきたクリニックを継承し、患者さんの声を聴きながら自身の理想と患者の理想をすり合わせながら双方の理想とするクリニックを作り上げていくというのも、1つの開業スタイルと言えるでしょう。是非「地域医療への貢献」という視点もお持ちいただき、開業をご検討いただければと思います。

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メディカルプラスでは、ご希望の方に随時、クリニックM&Aに関する無料相談を実施しております。弊社は2016年の創業以来「地域医療の継続と発展に貢献する」という理念のもと、譲りたい先生・引き継ぎたい先生のご縁を繋いでまいりました。クリニックM&Aを確実に成功させるためには、早めのスタートが鍵となります。メールやオンライン、またご来社でのご相談も無料となりますので、ぜひお気軽にこちらより【✉お問合せ】お問合せください。

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