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第三者医院継承における費用について

  • 医療継承コラム

本日は第三者継承時に必ず発生する費用と任意で発生する費用についてお伝えいたします。「継承にはいくら費用が掛かるのか?」ご質問をいただきます。こちらの記事では、のれん代(営業権)の算出方法やM&A仲介会社の仲介手数料の算出方法、その他の費用についてお伝えしていきます。

第三者医院継承時に発生する費用

➀譲渡対価

譲渡対価とは継承時に譲渡側に譲受側が支払う対価です。譲渡対価は無形固定資産(のれん代)と有形資産(内装や医療機器など譲渡資産の時価)から算出されるのが一般的です。有形資産は、対象事業の帳簿より時価額を算出することができますが、無形資産(のれん代)は決まった算出方法はなく、M&A仲介会社によって算出方法は異なります。一例を挙げますと以下のとおりです。

【個人の場合】
(営業利益)+(減価償却費)+(削減可能経費)=のれん代(営業権※1)
※1 M&A仲介会社によって、のれん代(営業権)の1~3年分で評価

【医療法人の場合】
(営業利益)+(減価償却費)+(削減可能経費)+(役員報酬の一部※2)=のれん代(営業権※1)
※1 M&A仲介会社によって、のれん代(営業権)の1~3年分で評価
※2 事業収支に対して役員報酬が過大であった場合、同規模法人の役員報酬と比較して、過大分を営業権に差し戻して算出

詳しくは、下記コラムよりご参照ください。

病院・クリニックM&Aの譲渡価格はどうやって決められる?

➁紹介手数料

M&A仲介会社により、報酬項目、報酬金額、支払い時期は異なるため、一概に言えません。フェーズ事に請求するM&A仲介会社もあれば、成功報酬型を採用しているM&A仲介会社もあります。第三者継承を依頼される際は、成果につながる可能性、各M&A仲介会社の料金体系を勘案して、比較検討される事をオススメいたします。
支払いが生じる主な項目は以下のとおりです。

【着手金】
M&A仲介会社に業務依頼(業務委託契約締結)の際、調査費、概要書作成費などに掛かる初期費用です。着手金は業務成果に関わらずM&A仲介会社が定めた報酬を支払うことになります。

【月額報酬(リテイナーフィー)】
期間を定め、M&A仲介会社に定期的に支払う報酬のことです。報酬金額は依頼内容により異なり、成果に関わらず報酬が発生します。

【中間金】
大枠の譲渡条件、売却価格、譲渡時期、協議事項を盛り込んだ基本合意契約書(一部を除き法的拘束力は有しない)を譲渡側と譲受側で締結した際の報酬です。成功報酬額の10~20%などM&A仲介会社によって報酬金額は異なります。

【成功報酬】
取引対価に応じた報酬料率を乗じるレーマン方式や、取引対価に関わらず一定の報酬料率を乗じた算出方法が挙げられ、取引対価に応じてM&A仲介会社に支払う報酬です。
成功報酬の算出根拠となる金額が負債を含む総資産に対して報酬料率を乗じるM&A仲介会社もあれば、総資産ではなく譲渡価格(時価純資産+のれん代)に対して報酬料率を乗じるM&A仲介会社もあります。一見同じ料率でも算出根拠となる金額が違えば、支払う報酬金額も大きく変わります。
また、多くのM&A仲介会社は最低成功報酬を設定しており、上記より報酬を算出した結果、一定額を下回っていた場合には、取引対価に関わらず最低成功報酬が採用されます。

➂不動産関連費用

≪テナント開業の場合≫
【個人開設のクリニック】
譲受側が新たに不動産オーナーと賃貸借契約を締結します。その際、仲介手数料、敷金、礼金等が掛かります。

【医療法人開設のクリニック】
賃借権、預入敷金を含め権利義務がそのまま引き継がれるため、費用はかかりません。ただし、賃貸借契約において法人代表者変更に伴う規定が定められていることがありますので、事前に契約内容の確認が必要となります。

≪不動産購入の場合≫
【個人(譲渡側)所有の場合】
譲渡側と譲受側で不動産売買契約を締結します。その際、不動産購入費用、仲介手数料、登記費用などが掛かります。

【医療法人所有の場合】
不動産を含めた包括継承となりますので、不動産売買契約は必要ありません。
旧法人の出資持分譲渡による継承の場合、不動産価値を含んだ純資産評価が売買価格となるため、出資持分の評価額は高額になります。譲渡側は、不動産価値が純資産に上乗せされた金額を、出資持分、または退職金、もしくは出資持分と退職金双方により受領する形となります。

➃登記費用※医療法人の場合(理事長変更登記)

継承後は理事長変更の登記、役員変更の届出、厚生局への保険医療機関届出事項変更届を行ないます。手続き代行費用は各士業の専門家が決めるため、依頼先により異なりますが、登記費用5~10万円、行政届出費用15~25万円程度が目安かと思います。

第三者医院継承時に任意で発生する費用

➀買収監査(デューデリエンス「DD」)

デューデリエンス(以下、「DD」と表記)とは、譲受側が譲渡価格の精査、対象事業の価値、継承時のリスクを詳しく把握するため、各士業の専門家に依頼して調査を行なうことを表します。調査項目は対象事業の規模や依頼者の意向により異なります。
DDには、財務・税務・法務・ビジネス・人事労務・知的財産・環境・不動産・ITといった多様な領域があり、それぞれの領域を専門とする士業の専門家に依頼することになります。
各項目の調査を行い、リスクを洗い出すことで、将来の損失を回避出来る可能性は上がります。しかし、調査項目が多岐に渡れば、支払う報酬も高額になりますので、対象事業の規模や事業内容に沿ったDD項目を依頼されることをオススメします。
また、たくさんの資料請求や不足資料の作成依頼などは譲渡側の負担となりますので、信頼関係が崩れることがないようM&A仲介会社と相談しながら、資料請求するように進めることが望ましいです。

➁医師会入会金

開業予定地の郡市区医師会により入会金は異なりますが、概ね100~300万円程度掛かり、年会費は数十万程度となります。
≪加入のメリット≫
・開業医同士のネットワークの構築
・日本医師会医師賠償責任保険の加入と医療紛争時の訴訟相談
・医師国民健康保険の加入
・特定健診を初めとする各種健診事業・予防接種事業の参画

≪加入のデメリット≫
・入会金と年会費の負担
・休日、夜間診療の請け負い

➂改修工事

継承開業の場合、内装、什器備品、医療機器を引継ぐ事で、開業時の初期投資が抑えられます。一方で内装は当時の設計のため、動線が使いにくい、バリアフリーになっていない、設備が老朽化しているなど、将来的に改装や取替を検討する必要もあります。

詳しくは、下記コラムよりご参照ください。

クリニックリノベーションの相場とポイントをわかりやくす解説します

➃医療機器の買替

新しい医療機器が揃っているのは稀なケースで、多くのクリニックでは経年した医療機器をメンテナンスしながら使用しています。医療機器や設備が老朽化している場合は、譲受側が必要に応じて新たに機器を購入する必要が生じることもあります。継承を検討される際は、内装、設備、医療機器の状態確認を行い、将来見込まれえる経費を含めて資金調達することで臨機応変に対応することができます。

➄ホームページ

新設する場合、業者により金額はことなりますが、一般的な作成費用は10~100万円程度です。継承先に既存のホームページが開設されており、検索順位も上位のようであれば、一部修正を行い、そのまま活用することで、作成コストを抑えることができます。

➅紙媒体作成費

診察券、封筒、名刺等の紙媒体については、院長名の変更やクリニック名称の変更に伴い、刷新する必要があります。

➆看板

クリニック外看板、入口や道路面のカッティングシート等の張替えが必要になります。(屋号変更、前院長名の記載、経年劣化、診療科目の追加・変更など)

➇スタッフ採用コスト

既存スタッフを再雇用する事で採用コストが抑えられ、開業後の即戦力になります。ですが、なかには譲渡側の親族が勤務(事務長や看護師)しており、継承を期に退職、スタッフが不足するケースもあります。このような場合、人材紹介会社などに相談・依頼をして不足を補う必要があります。

詳しくは、下記コラムよりご参照ください。

医院継承時のスタッフ雇用引継ぎについて

➈司法書士/行政書士費用 ※定款変更、保健所、厚生局、登記費用(法人名/施設名など)

クリニック継承時の行政届出事項は、個人で保健所や厚生局に出向き対応することも可能ですが、病院勤務と継承開業の準備を平行するのは大きな負担となるため、一般的にはその分野に精通した各士業の専門家に依頼します。ただ、医療法人の場合、行政手続きに精通した事務員もいますので、法人内部事務員が届出処理した場合には、費用はかかりません。

お客様の声

医院(クリニック)継承、事業譲渡、開業の決意など貴重な体験談を譲受側、譲渡側の先生にお話していただきましたので、ご興味がある方は下記よりご参照ください。

金子整形外科内科 金子昌夫先生 医院継承インタビュー

金子整形外科内科 原憲司院長 医院継承インタビュー

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